2020年度研究室だより

過去の研究室だより(2019年度2018年度

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機構造化学(忍久保研)
忍久保 洋、辛 知映、三宅 由寛、福井 識人

研究室の近況

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。今年度は学部4年生5名、博士後期課程1年生2名が新たに加わり、総勢27名となりました。また、今年度は赤堀君(D2、ドイツ)、仲里君(D2、シンガポール)に短期留学し、大きく成長し戻ってきました。
 研究面では福井先生が加入したことで新たな研究もスタートしました。最近は共同研究も増え、異分野とのコラボレーションも進んでいます。また、今まで行ってきた研究が次々と形になり、論文として報告することができました。今年も様々な学会に参加し、積極的に議論に参加している姿が見られ、発表では講演賞やポスター賞をいただくことができました。恒例の研究室旅行として昨年は伊豆方面に行き、海鮮料理を食べ盛り上がりました。研究室の雰囲気は変わらず、元気に過ごしています。また、名古屋にお越しの場合は、是非お気軽にお立ち寄りください。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機元素化学(山下研)
山下 誠、伊藤 淳一、鈴木 克規、中野 遼

元素特性の深い理解で物質科学と触媒科学!

 2017年4月に本格始動して3年目に入りましたが、スタッフ5名(教員4名・秘書1名)・博士研究員1名・学生17名(博士4名・修士9名・学部4名)と、明るく活発な研究室になってきました。今年は昨年度よりもさらに女性が増え、全体で23名中女性が10名というジェンダーバランスの取れた環境になりつつあります。GW前には中央大学時代の卒業生も交えて庄内緑地公園でBBQを行い、世代間交流を行いました。無事に帰れなかった人もいるとかいないとか・・・・。今年はなんとソフトボール大会で1勝するという歴史的な出来事もありました。もちろんいつものごとく研究も楽しく行っていますので、昨年度の卒業生の論文もどんどん発表しています。面白い化学を進めながら良い論文を出しつつも、在籍している学生が最大限に成長できる研究室を目指して行きますので、卒業生のみなさんも(お土産持参で)研究室に遊びに来て、後輩を育ててあげてください。いつものことながら研究室での出来事は飲み会を含め、ウェブサイトに情報満載です。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機反応化学(大井研)
大井 貴史、浦口 大輔、大松 亨介、荒巻 吉孝、山野本 健

多くの新メンバーが加わりました

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年度の新メンバーとして特任助教の山野本先生、博士1年生の神作くん、南くん、修士1年生の倉田くん、4年生の太田くん、角所くん、藤田くん、森田くん、G30 3年生のAnhくんが加わりました。皆、卒業生が抜けた穴を見事に埋める個性的な面々で、笑いの絶えない雰囲気のなかで楽しく毎日を過ごしています。また、木村くん(D2, 米国)、中島くん(D2, 米国)が短期留学し、それぞれが感じた新しい文化を研究室に持ち帰ってくれました。
 研究面では、中島くん、博士研究員(研究当時)の佐藤さんらの論文がNature Communications誌に掲載され、新聞や多くのWeb mediaに取り上げていただいたおかげで、大きな反響がありました。Chem-Stationの記事は皆さんの目にも触れたでしょうか。また、ITbMの共同研究がついにまとまり、Science誌に論文を発表しました。社会的インパクトの大きい研究としてこれまで経験したことのないほどの注目を集め、全国紙をはじめとして多くのメディアに掲載されました。日本語の解説記事も書いていますので、興味があれば読んでいただければ嬉しいです。
 日々、様々な刺激を受けてアクティブに活躍するメンバー達の様子を見に、ぜひ研究室に遊びに来てください。突然の訪問も大歓迎です。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 触媒有機合成学(石原研)
石原 一彰、波多野 学、ウヤヌク ムハメット、堀部 貴大

触媒開発の潮流「中分子テーラーメード触媒」

 野依博士らは世界に先駆けてエナンチオ選択性の触媒制御に成功し、2001年に「キラル触媒による不斉反応の研究」が評価されノーベル化学賞を受賞した。触媒には化学反応の促進と選択性の制御の2つの役割がある。一言に選択性と言っても、エナンチオ選択性、ジアステレオ選択性、配向選択性、位置選択性、官能基選択性、反応選択性、基質選択性など、種類は様々である。これらを自在に制御するためには目的に応じたテーラーメード触媒を開発しなければならない。触媒は、 (1)まずその鍵穴で基質の分子構造を認識、(2)次に望みの化学物質だけが生成するようにその遷移状態を選択的に安定化、(3)最後に生成物を鍵穴から排出し、再び基質を取り込むことで、そのサイクルを完了する。これらの一連の動作を実現するには、触媒活性中心とその近傍のメソ空間の精密分子設計が必要である。その際、触媒の最重要機能は鍵穴の動的機能(酵素が有する誘導適合機能)であり、実現には触媒の中分子サイズ(分子量1000〜5000程度)での動的挙動と力学特性機構の解明が欠かせない。既存の小分子触媒で効率よく合成可能な物質・材料の数はかなり限られており、新たな医薬品や機能材料の創出を難しくしている要因の一つと考えられる。従来型の汎用性の高い小分子レディーメード触媒のみならず、中分子テーラーメード触媒を精密設計することで、合成可能な物質のライブラリーを拡大し、新薬や新機能材料を創出に繋げたい。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 高分子物性学(松下研)
松下 裕秀、高野 敦志、野呂 篤史

とうとう最後の便りになりました

 卒業生はじめ関係者の皆様、お元気でお過ごしでしょうか。松下裕秀教授は2020年3月で定年予定のため、松下研として最後の便りになりました。今年度は松下教授が研究現場に完全復帰したため、研究室全体の教育・研究活動がこれまでの年とは随分様変わりしました。研究室の幕引きが近いことと関連し、新規配属学生も学部4年生3名、修士1年2名と少数精鋭体制です。これに加え、VBL博士研究員だった土肥侑也君は、7月よりドイツユーリッヒ研究所に研究拠点を移して転出しましたので、構成員の数はさらに少なくなりました。教育活動では、改組後新学科の一期生が3年生になりましたので、その学生群への高分子物理化学を松下・高野・野呂で担当しています。また、研究室内の輪講については、学部生が野呂、大学院生は松下が担当しています。研究活動では、松下教授がフランスオルレアン大学との国際共同研究を推進している一環として、4月にオルレアン大C.Sinturel教授が4月に一月間VBLの客員教授として滞在し、逆に9月に松下教授がオルレアン大に一月滞在して共著論文を複数発表するなど活発に相互交流を進めています。一方、当然でありますが、少人数のためソフトボールやサッカーなど多人数のチームプレーが必要なスポーツは大変苦戦を強いられております(写真添付)。このように残り少ない日々になりましたが、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 機能高分子化学(上垣外研)
上垣外 正己、内山 峰人

佐藤浩太郎先生がご栄転されました!

 卒業生の皆さん、お元気ですか?研究は相変わらず重合反応、高分子の合成と機能に取り組んでいます。メンバーには大きな変化があり、佐藤浩太郎先生が東京工業大学に教授としてご栄転されました。長きにわたり研究・研究室にご尽力を頂きました。ありがとうございました。現在のスタッフは、内山助教、事務員の国枝さんで、頑張ってやりくりしています。学生は、D2が2名、M2が5名、M1が5名、B4が5名で、合計20名の所帯です(H29.10.1現在)。今年度は、英国からサマープログラムで博士課程の留学生が滞在したり、企業から共同研究員の方が来られたり、一方、D2の学生がフランスへ短期留学したり、M2以上の学生が海外の国際会議に参加したり、共同研究や国際交流も活発に推進しています。他大学との研究交流活動のオリオン研究会も継続中で、今年度は11月に京都の予定です。
 スポーツに関しては、ソフトボール大会、サッカー大会、共に芳しくないようです・・・これからスポーツの秋、ポリマーズカップ、ボウリングの山下杯、サッカー大会とイベントが続きますが、どうなることでしょうか?講座旅行は今年度も、年明け早々に予定されており、これから4年生が企画してくれます。
 研究室のホームページで、ニュースや写真、研究成果を定期的にアップしていますので、是非ご覧下さい。研究室にもお気軽にお立ち寄り下さい。みんなで歓迎します!

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 高分子組織化学(関研)
関 隆広、竹岡 敬和、永野 修作、原 光生

筋トレブームが到来

 卒業生の皆さん、お元気でしょうか。2019年度の関研は総勢31名と、2018年度に続いて大所帯で活気にあふれています。構成は、スタッフ5名、博士3年1名、博士2年1名、博士1年1名、修士2年6名、修士1年8名、学部4年5名、学部3年1名、留学生1名、技術補佐員2名です。国際色も豊かで、外国人4名、グローバル30プログラム学生2名が在籍しています。そんな研究室の学生たちのブームは、筋トレのようです。コアタイム後に結構な人数と頻度で山の上のトレーニング施設に行きます。2018年のポリマーズカップで初優勝したのですが、筋トレの効果がソフトボールにも現れているのでしょうか。最近トレーニング機械が新しくなったようで、学生たちはますます筋トレに精を出しています。研究に励むためにも健康が大事ですし、元気なことは良いことです。この調子で研究面でもラボ一同でバリバリ頑張っていこうと思います。研究室のホームページで最新の論文や受賞情報を発信しますので、たまにはチェックしてみてください。そして、近くに来られた際にはぜひお気軽に研究室へ顔を出してください。マッチョなメンバーで歓迎します!

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 超分子・高分子化学(八島研)
八島 栄次、井改 知幸、田浦 大輔、鈴木 望

八島研!新体制を迎えて!

 八島研発足20周年を迎えた昨年、八島栄次先生が還暦を迎えられ、2019年3月9日、多数の卒業生・在校生の参加のもと、盛大に還暦祝賀会を開催しました。澤本光男京大名誉教授(中部大)・相田卓三教授(東大)・彌田智一教授(同志社大)・桑畑進教授(阪大)のサプライズ登場・祝辞もあり、大変楽しいひと時を過ごしました。
 最近の出来事として、同年4月1日より、岡本佳男先生(名大特別教授)と上垣外正己教授のもとで博士の学位を取得され、かつては八島研の助手・講師で、現在、金沢大学・教授の前田勝浩先生の研究室から井改知幸先生が准教授として八島研に参画され、奈良先端科学技術大学院大学の藤木道也教授のもとで博士の学位を取得され、その後、立教大学で助教をされていた鈴木望博士が特任助教として新たに八島研に加わり、ラセン研究に新風を吹き込んでいます。
 ビッグニュースとして、岡本佳男先生が栄誉ある日本国際賞(Japan Prize)を2019年4月8日に受賞されました。また、八島栄次先生も第59回東レ科学技術賞を同年3月14日に受賞され、師弟で築き上げてこられたラセン高分子研究が国内外で高く評価されたことを大変嬉しく思う次第です。これもひとえに卒業生、研究員、スタッフの皆さんの凄まじい努力の賜物です。
 残念なこととして、かつて敵無しだったOD会のソフトボール大会での「優勝」という2文字から遠ざかっています。経験上、研究力とスポーツはほぼ比例の関係にあり、今後も、研究のみならず、「優勝」の美酒に酔えることを祈念しています。

応用物質化学専攻 応用物理化学講座 理論・計算化学(岡崎研)
岡崎 進、篠田 渉、吉井 範行、安藤 嘉倫、藤本 和士、浦野 諒

講座旅行に行って来ました。

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。この9月29-30日に、毎年開催しております岡崎研講座旅行に行ってまいりました。皆さんご存知の通り、教員や学生の垣根を超えて親睦をはかってまいりました。これから、卒論発表・修論発表に向けて追い込みの時期になりました。社会に出られた先輩方の来訪は学生の励みになりますので、ぜひ指導しに来てください。
 また、皆様が卒業されてから大きく研究室の様子も変わっております。外国からの研究者も増え国際色豊かになっております。研究につきましても、皆さんが頑張ってくださいました研究に加え、新しい研究テーマも立ち上がりこれまで以上に切磋琢磨しておりますので、気軽に研究室の様子を見に来てください。

応用物質化学専攻 応用物理化学講座 触媒設計学(薩摩研)
薩摩 篤、沢邊 恭一、織田 晃

織田晃先生着任と15周年の同窓会

 2018年6月に熊本大学准教授へ提出された大山順也助教に代わって、2019年2月に岡山大学から織田晃先生が助教として着任されました。これに伴い燃料電池のテーマが熊本大に移り、新たにゼオライトの分野に研究を伸ばしていこうと思っています。その他の元素戦略、AICE、金属ナノ粒子触媒、量子化学計算のテーマは継続して進めています。AICEでは4年連続で担当学生がAICEアワードを受賞しています。スポーツ大会は絶好調、昨年はソフトボール大会が準決勝、サッカー大会優勝と波に乗っています。また、気がついたら薩摩研としてスタートしてから15年がたっており、2019年3月23日にはOBの大山先生、馬原さん、清水先生、神谷先生、片田先生が中心となって15周年の同窓会(若手版)をグランピアットにて開催していただきました。総勢62名が集まり、ほぼお店貸し切りの大盛会!また、2019年6月29日には旧村上研同窓会としてベテランの同窓会も開催され、こちらも38名が集まって盛会(詳細は会報で報告予定)。次代を担う現役学生は今年も活きの良いのが揃っているので、今後ともよろしくお願いします。

応用物質化学専攻 応用物理化学講座 材料設計化学(鳥本研)
鳥本 司、鈴木 秀士、亀山 達矢

スポーツは奮闘するも今年は初戦敗退、研究で挽回します。

 鳥本研究室は、2005年4月に発足しました。2017年度の改組を経て、またリフレッシュした気持で研究活動を続けています。現在の研究室の構成は、教員3名(教授:鳥本 司、准教授:鈴木秀士、助教:亀山達矢)、技術補佐員7名、学生15名です。今年も、昨年に続く3年連続優勝を狙ったソフトボール大会に出場しました。相手は、全員がユニフォーム着用の気合が入った強豪チーム。しかし昨年優勝の鳥本研は打って投げて、・・のはずでしたが、なんと惜しくも1点差で初戦敗退。皆にとって大変心残りのある結果となってしまいました。「来年こそはまた優勝するぞ!研究で挽回するぞ!」と今から意気込むメンバーでした。
 研究活動は、研究室発足以来のテーマである(1)新規多元系半導体ナノ粒子の創製と光エネルギー変換への応用、(2)イオン液体/金属スパッタリングによる複合金属ナノ粒子の作製と機能材料開発の2つを軸に行っています。より深みが増すことで質の異なる研究展開が次々生まれています。また、9月には名古屋大学で開催された光化学討論会の学会裏方を皆で経験しました(下の写真は、その時のクロークでの集合写真)。卒業生の皆さん、名古屋にお越しの際は、是非お気軽にお立ち寄りください。

応用物質化学専攻 固体化学講座 構造機能化学 (松田研)
松田 亮太郎、堀 彰宏、日下 心平

研究室の近況

 卒業生の皆さん、お元気ですか?2019年8月末で3年間お世話になった馬運声特任准教授が常熟理工学院に教授として帰国されました。現在教員(3名)、特別研究員(1名)、外国人共同研究員(1名)、D2(1名)、D1(2名)、M2(5名)、M1(6名)、B4(5名)の24名が所属しておりとても賑やかです。また名古屋大学卓越大学院プログラム・トランスフォーマティブ化学生命融合研究院大学院プログラムに原田君、米津君、中城君、石田君の4名が進学し博士号取得を目指しています。研究室の立ち上げも進み、6号館の実験室には高圧ガス供給設備を備えた高圧ガス吸着実験室の完成が目前です。
 松田研究室では、新しい多孔性材料であるナノポーラス錯体の研究を行っています。昨年度から今年度にかけては、特に光を利用した構造変換・分子捕捉や、ガス吸着分離に関して顕著な研究結果が出ており、順次論文誌に投稿しています。今年度より松田研は先端国際研究ユニット反応インフォグラフィー(R-ing)に参画し、合同ラボの立ち上げも進めています。科研費、JST(CREST)、民間助成および共同研究と多くのプロジェクトで研究を進めることができました。また学生による成果発表も活発に行い日本吸着学会研究発表会では、伊藤さんと小山さんがポスター賞を受賞しました。
 恒例の研究室旅行も行っていますので、卒業生の皆さんもぜひ遊びに来てください。

応用物質化学専攻 固体化学講座 機能材料化学(大槻研)
大槻 主税、鳴瀧 彩絵、中村 仁

文武両道で頑張っています

 大槻研究室では、生体に働きかけるセラミックスや環境に調和した材料の創製を基軸において、教育と研究を進めています。セラミックスだけでなく、人工タンパク質や有機高分子と無機ナノ粒子を利用した自己組織化材料の開発も発展しています。最近では層状化合物の合成とその医用材料応用に関する研究にも力を入れています。工学研究科・工学部1号館8階にある大槻研の実験室には、セラミックス合成用の装置とともに、遺伝子工学ためのP1実験スペース、哺乳類細胞培養スペース、分光装置や力学試験機が備わっています。今年度は新しく炭酸ガスレーザー装置とレオメーターが導入され、材料合成・評価をより強力に進める体制が整いました。学生はそれぞれ独自のテーマに取り組みながらも、セラミックスから生体分子まで、幅広い素材に関する知識と経験を身につけていきます。
 研究室は2020年3月で丸14年になります。国内外での共同研究が増え、積極的な異分野コラボレーションが進められています。一方、今年度はソフトボール大会優勝という快挙を成し遂げ、文武両道で頑張っています。先輩の面倒見がよく、卒業生同士や、卒業生と現役生の交流が長く続いているのは、大槻研究室の伝統となってきています。お近くにお越しの際には、ぜひ大槻研究室にお立ち寄りください。

応用物質化学専攻 固体化学講座 多孔材料化学(中西研)
中西 和樹、長谷川 丈二

新研究室がスタートしました

 未来材料・システム研究所に所属する多孔材料化学グループは、2019年1月に京都大学大学院理学研究科から中西和樹教授が赴任し、京都大学からの博士後期課程3年生1名に、同4月から修士課程1年生を2名、学部4年生3名を加えて、新学期をスタートしました。6月には加藤弘美秘書も加わり、まっさらの研究室でそれぞれの研究課題に取り組み始めています。10月には未来研雇用のポスドク研究者も加わる予定です。共通した研究課題は「液相法による多孔材料の構造制御と応用」です。世界に先駆けて開発された「相分離を伴うゾル-ゲル法」に基づいて、様々な化学組成で緻密に制御された多孔材料を合成し、物質分離や触媒・反応担体、電極材料として、有用な応用分野を開拓します。

応用物質化学専攻 固体化学講座 機能物質工学(長田研)
長田 実、小林 亮、山本 瑛祐

キックオフ、1年半経過

 2018年1月に長田研がキックオフしてから、早くも1年半が経ちました。私たちの研究室では、分子レベルの薄さの2次元ナノ物質(ナノシート)に注目し、新しい機能のナノシートの開発とその電子材料、エネルギー材料への応用を進めております。昨年10月には東北大学から小林 亮准教授が着任し、ますます研究室に活気が溢れてきました。現在の研究室の構成は、教員3名、事務補佐員1名、博士課程3名、修士課程2年5名、修士課程1年4名、学部生5名の計21名と、2年目にも関わらず大所帯で活動しております。昨年度は研究室をゼロから立ち上げる作業で本当にドタバタでしたが、ようやく実験環境が整いつつあり、研究室一丸となって良い研究を進める雰囲気が生まれています。研究以外でも、学生達は普段から和気藹々と楽しく過ごしており、ソフトボール大会では準優勝したほか、9月には犬山城までゼミ旅行にも行って参りました。ホームページでは色々な研究室の情報を掲載する予定ですので、是非見守って頂ければと思います。研究所地区にお越しの際には気軽にお立ち寄りください。

応用物質化学専攻攻 固体化学講座 ラジカル化学(熊谷研)
熊谷 純

社会に役立つ放射線化学・生物学・光化学研究へ

 卒業生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。前身のエコトピア科学研究所時代を含め、未来材料・システム研究所に所属して6年が経過したところです。現在の研究所共同館IIへ引っ越して3年半となりました。研究室メンバーは、昨年11月に東邦金属(株)の津田泰志さんを新たに招聘研究員としてお迎えし、熊谷准教授・原田客員教授・今井技師と福島M2)、堀之内(M1)、小林(B4)の全7名です。コバルト60照射室は放射線障害防止に関わる法律の改正施行に伴い、大幅な施設改善がありました。
 研究面では、細胞間シグナリングの分泌因子の研究で大きな進歩がありました。放射線生物学に限らず、分野横断的な発見になると思っております。近日中に論文発表する見込みです(M2: 福島)。低レベル放射性物質固化処分における水素分子発生抑制研究も引き続き進めております(M1 堀之内)。固化処分に用いるセメント構成成分の水和水の数の多い方が、放射線分解による水素分子発生が少ないという一見矛盾するような結果が得られていますが、それを説明するモデルを立てて、実験と計算の両面で実証していこうとしているところです。松田研の堀先生と企業とで、より高圧条件での放射線分解水素発生定量評価実験も始まろうとしております。光触媒研究は一歩一歩進展しております(B4: 小林)。タングステンメッシュを用いた放射線防護材料研究も商品化を含めて順調に進んでおります。原田客員教授の先端分野向け化合物とその薄膜の製造及び評価技術の開発研究は、産総研との共同研究に発展し、今後の発展が楽しみな状況となってきました。
 卒業生の皆様のますますのご活躍とご健康をお祈りしております

Email: kumagai@imass.nagoya-u.ac.jp (熊谷);
    imap@chembio.nagoya-u.ac.jp (今井)

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 ナノバイオ計測化学(馬場研)
馬場 嘉信、安井 隆雄、湯川 博、小野島 大介、嶋田 泰佑、有馬 彰秀

馬場研究室の近況報告

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。馬場研の近況をお知らせします。4月には大阪大学から有馬彰秀特任助教、5月には当研究室から嶋田泰佑助教が着任されました。現在、D3が1名、D2が1名、D1が2名、M2が5名、M1が6名、B4が5名に、各スタッフを加えると合計34名の大所帯になります。10月から2名の留学生が加わる予定(留学生合計6名)で、相変わらず国際色豊かな環境で研究とスポーツに打ち込んでいます。スポーツ面に関して、OD会主催のソフトボール大会では、初戦敗退と残念な結果になってしまいました。この悔しさをサッカー大会にぶつけ、今年こそ優勝を目指します。研究面では、脈々と受けつがれるメンバーの頑張りで、ナノバイオデバイスの精力的な開発を進めており、得られた成果をホームページで報告しております。馬場研ホームページは昨年度リニューアルされ、以前よりスマートになったかと思います。QRコードから、ぜひご覧ください。
 研究室メンバー・研究内容の変遷に伴い、皆さんが卒業されてから研究室の様子も年々変化しております。ご訪名の際は、お気軽に研究室に遊びに来てください。

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 生体分子応用化学(村上研)
村上 裕、林 剛介、藤野 公茂

林剛介准教授が着任しました

 2015年から教授と助教の二名体制の研究室でしたが、2019年3月に東京大学大学院工学研究科から林剛介准教授が着任し、教授・准教授・助教となりました。林剛介准教授はタンパク質の化学合成が専門で、特に様々な修飾ヒストンタンパク質を化学合成して、遺伝子発現制御の解明に役立てようとしています。これから研究室一丸となってタンパク質、ペプチドの生合成・化学合成の研究をさらに発展していこうと考えています。
 本年度の研究室旅行は9月10・11日と、佐久島に行ってきました。日頃の行いが良いのか(?)、前後を台風の襲来に挟まれたものの、当日は晴天で、真夏日となりました。学生さんは、帽子もかぶらずに元気に島中を自転車で走り回っていましたが、私は寄る年波には勝てず、バテ気味で学生さんについて行くのが精一杯でした。
 本年度、ホームページを一新しました。過去の研究室の写真も年度ごとにアップロードしますので、時間がある際にホームページに訪れていただければ幸いです(携帯電話にも対応しました)。
http://www.chembio.nagoya-u.ac.jp/labhp/bioanal2/

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 生命超分子化学(浅沼研)
浅沼 浩之、樫田 啓、神谷 由紀子、村山 恵司

―核酸のサイエンスを極める―

 2019年度の浅沼研究室は5名の新4年生を迎え、D2 1名、D1 1名、M2 6名、M1 5名とスタッフ(5名)を含めた23名で研究・教育活動を行っております。名大に着任してから新たに開発した非環状型人工核酸も様々な展開が可能なことが明らかになりつつあり、超高感度蛍光プローブ、ケミカルライゲーション、光応答性SNA、キラル増幅、蛍光バーコード等々、サイエンスだけでなく実用化も視野に入れた研究展開をしております。特に核酸医薬としてのポテンシャルも明らかになりつつあり、医学部や企業とチームを組んで、核酸医薬を目指した非環状型人工核酸開発のプロジェクトもスタートしました。応用も視野に入れ始めたとは言え、浅沼研の魂である「核酸のサイエンスを極める」というスタンスがみじんも揺らぐことはありません。熱力学パラーメータの算出や構造解析を駆使して、相変わらずメカニズムを追い求めております。今年は樫田さんが7月から半年間海外留学のため米国のスクリプス研究所に滞在しており、帰国したらきっと新しいサイエンスを浅沼研に持ち込んでくれるものと期待しております。OB・OGでこの研究室だよりを読みましたら、どうぞアポなしで結構ですので、遠慮なく冷やかしに来てください。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 化学遺伝学(清中研)
清中 茂樹、西島 謙一、金岡 英徳、堂浦 智裕

化学遺伝学研究グループのスタートです

 飯島信司先生の後任として、2019年3月に京都大学工学研究科より清中が教授として着任しました。それに伴い、講座名も化学遺伝学研究グループに変更しました。どうぞよろしくお願いいたします。
 私達の研究室では、化学的な手法と遺伝子工学的な手法を組み合わせたケミカルジェネティクス(化学遺伝学)研究を主に行っていきます。清中の着任後に、4月から草壁恭子さん(3月まで八島研究室所属)が秘書として加わり、6月に堂浦智裕先生が特任助教として着任し、新体制をスタートさせたところです。学生はD1(研究指導委託)が1名、M2が4名、M1が4名、B4が6名であり、スタッフを含め全員で20名です。研究室ホームページも作成しましたので、是非ともご覧いただければ幸いです。研究室の情報は、今後もホームページで随時ご連絡させて頂きます。
 研究室(実験室)の状況に関しては、研究室に供えてあった遺伝子工学、細胞培養実験設備に加えて、4-6月にドラフト等の有機合成用設備の設置、マウス実験室設置と大がかりな工事を行いました。最近になり、細胞観察用の顕微鏡等も導入して、ケミカルジェネティクス研究を行える環境がかなり整ってきました。私達は、化学で生命を理解する研究を世界に発信するとともに、化学と生命の両者を理解する学生を育てていくつもりですので、卒業生の皆様にも是非とも見守っていただければ幸いです。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 生物化学工学(本多研)
本多 裕之、清水 一憲

勇気、元気、やる気

 令和になり、気が付けば60歳目前です!でも生物・生命を思う熱い気持ちは変わらず、学生と議論しながら、可食性タンパク質由来の高機能ペプチドの探索、BIOMEMSで作製したミニチュアデバイスで筋肉・神経組織構築などの研究を進めています。今年も5名の4年生と2名の新M1が加わって、勇気をもって元気に(?)やる気を見せてくれています。4年生は無事に大学院進学です。
 清水先生のデバイスの写真が日本生物工学会英文誌の表紙に採用されました。128巻なので見てください。
 先日、日間賀島に研究室旅行に行ってきました!初めて電車を使っての団体旅行。ろくろ陶芸体験、常滑散策、河和港から日間賀島にフェリー移動。台風接近で海が荒れていて大変でしたがフェリーが出てよかった。網元旅館での豪勢な夕食!刺身、ワタリガニ、エビ、タコ飯を堪能。日頃見られない学生のはじけた姿はまぶしさすら感じました。2日目は日間賀島一周散策した後、知多半田に移動してミツカンミュージアムにお邪魔しました。木桶を使った山吹の仕込みでは、ちょうど酢酸菌の菌膜播種の様子も見ることができました
 今の学生は、・・・と吐露すると自分も歳を取ったと感じますが、こういう機会は人と人の関わり合いを通して個人が見えてきます。色付けして、型にはめて見てしまうんじゃなくて、個人個人の良さ(悪さ)を感じ取りながら対話を大事にして特性を伸ばしていけたらと思います。お近くにお越しの節は是非お立ち寄りを。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 分子生命環境プロセス(堀研)
堀 克敏、鈴木 淳巨、中谷 肇、石川 聖人、伊藤 栄紘

研究室の近況

 研究室も、今年で9年目を迎えました。今年度は、9月に新たに伊藤特任助教を迎え、4年生6名、修士9名、博士6名、博士研究員3名、技術補佐員2名、秘書2名、リサーチ・アドミニストレーター1名、教員5名の計34名の研究体制となりました。
 話題としては、まず、昨年から今年にかけて、多数の学会賞を頂いたことがあります。昨年9月に小原君(D2)が、化工会秋季大会でバイオ部会優秀ポスター賞を、11月には蟹江君(D3)が生物工学会中部支部例会で支部長賞を、同月の名大生物工学系合同セミナーでは宇佐見君(D2)が最優秀発表賞を、小原君(D2)が優秀ポスター賞を受賞しました。今年に入っても3月に石井君(D2)が化工学会年会で最優秀学生賞を、4月に宇佐見君(D3)がFEMS 2019で CONGRESS ATTENDANCE GRANTを、8月に野場君(M2)が生物工学会中部支部例会で支部長賞を、9月に川尻さん(M2)がアジア太平洋化学工学連合会議(APCChE2019)でExcellent Poster Awardを受賞しました。一方、堀研発ベンチャーの話題としては、蟹江君(D3)の堀研卒業生としては初めてのフレンドマイクローブへの就職があります。
 今後も高く評価される学術研究と研究成果の社会実装に向けた活発な応用研究を行って参りますので、皆様のご支援ご協力をお願い致します。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 構造生物工学(渡邉研)
杉本 泰伸、永江 峰幸

構造と生命現象の関係をめざして

 当研究室はシンクロトロン光研究センターに所属の渡邉信久教授を中心として、生体高分子(タンパク質)の構造と機能の関係の解明を目標とした単結晶構造解析や小角散乱などの、X線回折を利用した構造解析とその応用に関した研究を行ってきました。大変残念なことに、2019年3月、渡邉教授が闘病の末に亡くなられることとなってしまいました。
 現在、シンクロトロン光研究センター所属の杉本(准教授)が工学研究科・工学部を兼務し、また同センターの永江(助教)とともに研究室を運営しています。所属する学生も比較的少なく、現在はM2が2名、M1が1名、B4が2名で、教員を入れても総勢7名の所帯となっています。学生たちは日夜、工学部1号館や3号館、8号館の離れた場所を往復しながら、また瀬戸市のあいちシンクロトロン光センターに通いながら、実験に議論にと日々の研究に励んでいます。身近な場所に放射光ビームラインがあるという、その特長を生かした研究室としてこれからもがんばっていきたいと思っています。

基盤創薬学専攻 創薬有機化学講座 分子設計化学分野(山本研)
山本 芳彦、澁谷 正俊、安井 猛

研究室近況

 本研究室では、有機合成化学を基盤として創薬につながる新規生理活性分子の設計、ならびにその合理的合成プロセスの創出を両輪とする創造的研究・教育を行っています。大学院生は創薬科学研究科の所属ですが、工学部から毎年3名の化学系学部4年生を受け入れています。2012年の設立から8年目を向かえました。その間、2015年には創薬科学研究館が完成し、これまでに16名(内応化出身者11名)が修士を修了し、さらに6名(内応化出身者4名)が博士(創薬科学)の学位を授与されました。また、2017年8月からは、安井猛助教(生物機能 石原研究室出身)も加わり、ますます活気が増しています。お近くにお越しの際は、是非研究室にもお立ち寄り下さい。

基盤創薬学専攻 創薬生物科学講座 細胞分子情報学分野(加藤研)
加藤 竜司、蟹江 慧

新カリキュラムを通じてデータサイエンスを

 2019年春から、化学生命系での教育としての新カリキュラムが本格的に稼働し始めました。兼担として学部3年生の講義と学生実験を担当させて頂いている我々としても、近年のデータサイエンスへの強い学生嗜好を受けまして、3年前期選択専門科目としての「生物情報工学」と研究室分担テーマを「創薬データサイエンスを体験するための実験」として設計し、スタートさせました。近年、他の学部でも学生のデータサイエンス教育は進み、学科のコア教育コンセプトに掲げられる場面や、履修学生が溢れてしまう現象が生じているようです。我々としても、化学生命系学生にデータサイエンスの重要性とおもしろさを伝えていければと祈念しております。本年は初年度のため、まだ学生も教員側も、少し様子見だったこともありましたが、他学部に比べて情報解析に「抵抗が少ない」「前知識を少し有している」と想定していた学生が、思ったよりも「興味がない」「前知識がほぼ無い」ことに少し驚きましたが、草の根活動としてより努力していきたいと感じている今日このごろです。研究室としては、情報解析に燃える学部生がJoinしてくれ、創薬分野での工学技術・センスの重要性を発信できるようにがんばっていきたいと思っております。