歴史

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応化会と応化教室の歴史

 平成29年4月、新学科「化学生命工学科」と関連大学院三専攻が設置されました。それに伴い、来年度には(予定)応用化学関連分野の同窓会「名大応化会(通称、応化会)」は、融合した生物機能工学関連分野の同窓生と共同で新同窓会を設立して生まれ変わることとなりました。伝統ある「応化」から学科名に関係なく、息長く使え立地に関連した「鏡」を使い「名大鏡友会」になります。この機会に、「応用化学」や「応化」という名前に関して少し歴史を振り返ってみたいと思います。

 昭和14年4月、応用化学科は名古屋大学理工学部の創設とともに設立されました。昭和17年度末には応化第1期生が卒業します。その後、順調に卒業生を輩出し、昭和24年に新制大学発足と同時に学生定員を20名から40名に増やしています。昭和36年に合成化学科が設置され応用化学科と合成化学科が並立し入学生は合わせて80名となり、昭和39年度末には卒業生を輩出いたしました。一方、同窓会は、「名古屋大学応化合成会」と称して昭和42年10月1日(1967年)に会則が制定されています。それ以前の応化合成会としての正確な発足ならびに活動は、卒業生の方にお聞きしていますが現在のところはっきりしておりません。斎藤 肇先生のご尽力が大きいと聞き及んでいます。したがって仮に、この会則制定を発足の時としますと、本年平成29年(2017年)は、50周年に当たることになります。役員名簿の記録によれば、昭和44年(1969年)には応化合成会として初代会長は二人体制で高橋武彦教授と山下雄也教授、理事長は斎藤肇教授がつとめられています。最初の「応化合成会会報」が発行されたのが何年かは未確認です(応化会本部では、昭和50年版が一番古いものです)。80代、70代の先輩方で応化会発足の時期、経緯をご存知の方は、理事長宛にお知らせいただければ幸いです。

 平成3年には、学科の改組があり合成化学科は廃止となり、新たに応用化学科と物質化学科の並立となりました。同時に、応化教室、化学工学教室からそれぞれ一部の講座がわかれ生物機能工学科を創りました。これに伴い、「名古屋大学応化合成会」は名称変更し、応化・物質と関連講座の同窓生による「名大応化会」となりました。通称「応化会」です。Web検索すると全国の大学の多くの応用化学系の同窓会が採用している名前でありますが、学科創設の昭和初期から伝統的な「応化」を継承していることになります。

 その後、平成6年から始まった工学研究科の大学院重点化の流れの中で、平成8年に学部は応用化学コース、生物機能工学コース、分子工学化学コースからなる化学・生物工学科となりました。しかしながら、応化会は従来の応化関連講座の同窓会として変わりませんでした。

 平成16年(2004年)大学法人化とともに大専攻・大講座制へと組織変更されましたが、応用化学専攻と物質化学専攻は、分子化学工学専攻と生物機能工学専攻と統合し化学・生物工学専攻となり、それぞれ三分野として応用化学分野、分子化学工学分野、生物機能分野に組織替えされました。しかしながら同窓会は融合することなく、それぞれ独立のまま、応用化学系は「応化会」として継続しました。学科名の「応用化学」は、大学院の化学・生物工学専攻の分野名として残ることになりました。

 この度の平成29年の改組では、応化教室内での講座の入れ替えのみではなく、生物機能工学系(分子化学工学系から一部移動した研究室を含み、卒業生は応化会には入会していない)と応用化学系との統合であり、新学科の化学生命工学科が設置されたため、その同窓会として「応化会」を継続するのが難しくなりました。結果として新名称の新同窓会の設立に向けて進めることになったわけです。平成30年度は、応化会の行事を継続しながら、名称新たにして新同窓会への移行が始まります。「応用化学」の名称は、大学院の応用物質化学専攻に残ることになりました。

(2017.10.25)

応化会理事長 西山 久雄

(名古屋大学名誉教授)

 


平成28年度時点の応用化学教室関連講座の体制

□化学・生物工学専攻応用化学分野    □併担講座

応1 岡崎研(HP   物制2 関研(HP
応2 松下研(HP   物制3 八島研(HP
応3 忍久保研(HP   物制6 薩摩研(HP
応4 山下研(HP   結材5 大槻研(HP
応5 上垣外研(HP   結材6 鳥本研(HP
応6 大井研(HP   未来機 余語研(HP
応7 松田研(HP   未来カ 楠研(HP
応8 馬場研(HP   未来エ 熊谷グループ(HP
応9 村上研(HP   創薬 山本研(HP
応10 菊田研(HP      

※物制:物質制御工学専攻、結材:結晶材料工学専攻、
 未来:未来材料・システム研究所(旧エコトピア科学研究所)、創薬:創薬科学研究科