会長・理事長挨拶

 会長挨拶

平成30年度 名大鏡友会会長、生命分子工学専攻

浅沼 浩之

 

 平成30年5月26日に名大鏡友会が新たに発足し、大変名誉なことに私はその初代会長を拝命することとなりました。名大鏡友会は、工学部の改組で応用化学と生物機能工学コースが合流し化学生命工学科として新たなスタートを切ったことに伴い、旧応化会が装いを新たにして誕生しました。旧生物機能に所属していた私が初代会長を拝命することとなった巡り合わせは、名大鏡友会が旧応化会の単なる延長ではなく、その伝統を受け継つぎつつも新たな同窓会へと生まれ変わったことを象徴することのように思えます。その一方で応化と生物の融合による名大鏡友会の発足は、歴史の必然のようにも感じられます。

 私がまだ学部学生だった1980年代は、化学は主に有機化学・物理化学・無機化学・分析化学の4つの分野から構成されており、生物との関りは極めて希薄でした。しかしバイオテクノロジーの勃興と共に工学としての生物の重要性が認識され、名古屋大学工学部にも平成3年(1991年)に生物機能工学科が設立されました。しかし生物の本質は精密な化学反応の連続であり、生命を理解する上で生物は化学を必要としました。一方化学も新たな出口として生物を求め、多くの化学者が生物を標的とした研究に邁進するようになります。すなわち時間とともに生物と化学は互いに接近し、現在ではもはや分離不可能なまで融合が進んでおります。このような中で、応用化学と生物機能が別の組織として存在するのは不自然であり、工学部再編が触媒となって一つの学科としてまとまるのは、自由エネルギー変化の極小に向かって進む化学反応と同じくらい必然的な出来事に思えてなりません。

 名大鏡友会はこのような必然で誕生しました。この先、本同窓会が化学生命工学科と共に発展し、多くの優秀な人材が輩出されることを願ってやみません。

 

 理事長挨拶

平成30年度 名大鏡友会理事長

西山 久雄(S48)

 

 本年5月、新同窓会「名大鏡友会」が発足いたしました。応用化学と生物機能工学の両学科の統合に伴い、同窓会組織をどのようにしたら良いか、29年1月頃から同窓会理事、顧問、学科長等と議論を重ねようやく発足にこぎつけることができました。初代会長には、生命分子工学専攻長の浅沼先生が就任されました。理事長、理事は応化会理事会からの継続と生物機能工学から清水先生、村山先生が参加していただきました。当面は、応化会の行事を鏡友会の行事として踏襲し、おいおいと新機軸を出していこうかと思います。ホームページ管理、会報発行、名簿管理は大変な作業で、担当の理事の方のご協力の賜物です。

 本同窓会は、基本的には、学生の親睦活動、卒業生による同窓会活動の支援、同窓会支部活動の支援を中心に活動しています。また、新四年生の研究室配属の歓迎会、総会の講演会、博士学術賞、鏡友会サロンなどで支援・交流によって親睦を計っています。卒業生の方々が、気軽に参加できる会にして行きたいと思います。ご協力のほど、お願い申し上げます。(2018.6.20記)

 

 会長挨拶

平成29年度 応化会会長、化学生命工学科長、応用物質化学専攻長

岡崎 進

 

 今般、何かと世の中の大きな変化が世相をにぎやかす時代となってきておりますが、ご承知のように名古屋大学におきましても20数年ぶりに工学部の大きな改組があり、旧応化もその姿を大きく変え、より高度な教育、研究活動を目指し、新しい組織で新しい歩みを始めたところです。

 新組織では、学部ではこれまでの応用化学コースと生物機能工学コースが一緒になり、コースは廃止されて化学生命工学科として一元的に4年間の教育を行うこととなりました。大学院としてはやはり応用化学分野と生物機能工学分野が融合し、新たに有機・高分子化学専攻、応用物質化学専攻、生命分子工学専攻の3専攻からなる化学生命系専攻群を構成しています。これらの学科、専攻群には学部99名、修士課程96名、博士課程22名の学生が所属し(いずれも定員数)、この4月に入学、進学した学生はすでに新組織、新カリキュラムの下で勉学に励んでおります。また研究室数としても23研究室、2協力講座を数えるなど、旧応化と比べるとかなり大きな組織となっています。

 この組織を化学生命系として一体的に運用していこうとしており、すでに化学生命系教室会議、化学生命系教授会として、教務、学務等すべてのことについて一緒に検討し、様々な事案に対応しています。これにより、特に教育面においては物理化学、有機化学、無機化学、高分子化学、分析化学、そして生化学といった化学の基本分野が一堂にそろい、カリキュラムとして化学をベースにした工学という意味で相当に充実した総合教育が可能となっています。

 新学科、専攻につきましては、教育、研究の理念、そして構成員等をHP(以下URL)に詳しくご紹介させていただいておりますので、ぜひとも一度ご覧くださればと存じます。
URL: http://www.engg.nagoya-u.ac.jp/

 このような新しい学科、専攻群の発足にともない、同窓会組織である応化会におきましても、応化会と旧生物機能工学専攻の先生方と合同でWGを構成し、新しい学科、専攻群の同窓会組織の在り方について慎重に検討を進めて来られ、方々と調整を重ねられて来られた上で一通りの方針に到達していらっしゃるとお伺いしております。

 それは、新しい学科、専攻の卒業生を出身研究室で区別することなく同窓会に迎えること、そして、応化会としてもここで途切れるのではなく継続的に新会員を迎えながら活動を続けることです。これらの条件を満たし、なおかつ生物機能工学の卒業生、教員から見ても違和感なく一緒に同窓会活動を行って行くことができる形として、新しい同窓会名の下に応化会会員、旧生物機能工学卒業生、そしてこれからの化学生命系の新規卒業生が結集することが提案されています。

 詳しくは本応化会誌の記事をご覧いただければと存じますが、これらの案をもとに議論を進め、新しい応化会、生物機能工学の同窓会として、また新しい化学生命系の同窓会として輝かしい出発ができますよう、会員皆様方のご理解とご協力を深くお願いする次第であります。(平成29年7月2日受理)

 

 理事長挨拶

平成29年度 応化会理事長

西山 久雄(S48)

 

 平成29年4月、服部達彦前理事長から理事長を引き継ぎいたしました。服部氏は、平成22年に理事長に就任し、7年の長きにわたり理事長を勤めてこられました。そのご努力に敬意を表する次第です。今後は、顧問としてご助言をいただきます。

 私は、応用化学及び合成化学科48年卒業、同専攻50年修了(石井義郎研究室)の後、東レ株式会社に入社しました。5年勤務の後、豊橋技術科学大学に移り、平成14年に名古屋大学工学研究科へ転任し、平成28年3月名古屋大学を定年退職いたしました。

 以前の会報には、新任教員挨拶(平成15年版)に抱負を、分野長挨拶(平成21年版)では教育・研究体制と新時代への布陣(教員人事)について、会長挨拶(平成25年版、分野長兼)では応化会のあり方等、について述べさせていただきました。この度、大役をお引き受けすることになり、理事の皆さんと共に、応化会の運営に全力を注いでいきたいと思います。

 応化会理事会は、現在12名の理事で構成され、総会、常議員会、サロン、並びに講演会開催などの行事や会報発行、ホームページ(HP)運営等を分担し、学生支援、交流支援、支部支援を実施しております。28年度にはHP ならびに会報を刷新して、同窓会活動に関する情報発信に力を入れております。特に、学生支援では、入会歓迎会、学部・大学院の成績優秀者を表彰する応化会賞の授与、博士後期学生の学術雑誌掲載論文を評価した博士学術賞の授与、スポーツ大会の支援などを行っています。また、二つの東日本と関西支部への活動費の補助を継続して行なっております。今後もHPを利用した同窓会活動の支援に努めてまいりたいと思います。同期会を開催されましたら、ぜひ会報かHPに投稿してください。

 会費の納入状況については、平成29年度は多くの方の納入とともにたくさんの寄附もいただき、感謝申し上げます。しかしながら現在、住所が分かっている卒業生のうち会費納入していただく数は3割弱に留まっています。過去の納入実績にかかわらず、新しく納入いただければ幸いです。特に、30〜40歳代で会報の届いていない方は、ぜひ住所(+メールアドレス)をご登録してください。その旨、事務局へメールでお知らせください。

 さて、5月27日の総会でご説明し承認を得ましたが、本年平成29年4月から学科・専攻の改組(応化と生物機能の学部学科として統合、化学生命工学科の発足:大学院三専攻への改組)がありました。応化会顧問と両教室の教授の方ともご相談し、応化主任ならびに応化会と生物機能の主任との意見交換会をへて、新同窓会(新学科卒業生、応化会と生物機能同窓生、教員の合流)を設立することで合意に至っております。そのため設立準備委員会を設置し、具体的な進め方を議論しています。次世代に繋がり、時代にマッチしたスマートな同窓会を作っていければと考えております。「応化会」は、新学科と生物機能の同窓生ならびに教員と合流し、存続し発展していくことを確信しています。(平成29年6月8日受理)

 

 理事長退任の挨拶

平成22年度-平成28年度 応化会理事長

服部 達彦(S40)

 

 平成29年3月、応化会理事長を退任し、西山久雄名誉教授に引継ぎを致しました。

 在任中、応化会の役員や会員の皆様、応化教室の先生方には大変お世話になり、有難うございました。

 私と応化会とのつながりは監事を平成13~16年、平成20年より理事を、また平成22年から理事長を仰せつかり、7年間務めました。実はこれ以外にも小学、中学のクラス会、大学の同期会(40応化会)の世話役、会社のOB会の世話役などいろいろな所でそれらの会の企画、運営に携わっており、基本的にお節介な性格なのだろうと思います。

 監事をしていた時は、理事の殆どが大学の助教授、助手の先生方で、お忙しい中名簿の管理、会報や名簿の発行、会費の徴収、広告の掲載依頼など大変な業務をやっておられました。その後、正会員の先生方が少なくなり、民間企業出身の会員に理事をお願いせざるを得ない状況となり、応化教室との連携を保ちながら応化会の運営を進めて行くこととなりました。

 さて、平成13年以降、会則を6回改訂しております。主な改訂内容としては、平成17年4月に施行された個人情報保護法により、会員名簿の発行が事実上困難となり、事業内容として会報及び会員名簿の発行としていたものを会報の発行及び会員名簿の管理にしたこと、現旧教職員のうち入会を希望する者を特別会員としていましたが、入会希望とは関係なく、教職員会員の名称で応化会会員となっていただくようにしたことなどが挙げられます。

 会則には明記しておりませんが、応化会の正会員の中から会長を選び、引き受けていただくことが難しくなってきたこともあり、応化会会長をその年の応用化学分野長の先生にお願いすることを決め、それが定着してきたことも応化会の運営をやり易くしております。

 新しい事業として、応化会の存在をアピールし、応化会の実施する事業への参画を促進させ、応化教室との連携を図る目的で「応化会賞」を創設しました。応化教室から推薦された成績優秀な新4年生1名、修士課程は応用化学分野で1名、結晶材料もしくは物質制御の分野から1名と云うことで応化会賞を授与し、表彰することとしました。また、博士学術賞を博士後期課程在学中に行った研究業績、即ち発表済みの学術論文の内容を審査して決め、表彰しています。

 ワインを傾けながら気楽な雰囲気で講演をお聞きする応化会サロンと称する事業を始めました。平成22年に第1回を平野眞一前学長に、第2回を榊原定征現経団連会長に、以降馬場嘉信教授、鈴木茂樹現PEVE社長、河本邦仁教授、西山久雄教授、石川延宏東亜合成副社長にそれぞれ講師をお願いして、サロンを開いてきました。ワインの産地も開催年度によりフランス、チリ、カリフォルニアなどいろいろなワインを味わってきました。応化会サロンの場で博士学術賞の表彰式を行い、受賞者は受賞した論文の要旨を15分程度で発表するようにしました。若手の参加者も多く、良い企画となりました。

 応化会のホームページも出来、行事の案内や事業報告など見ることが出来るようになりました。

 応化会の運営が厳しくなることもありましたが、皆様のご協力により解決し、無事引き継ぐことが出来ました。感謝申し上げる次第です。今後とも応化会の行事には参加していくつもりですので、引き続きご交誼のほどお願い致します。(平成29年6月15日受理)

 

 会長挨拶

平成28年度 応化会会長、応用化学分野長、化学・生物工学専攻長

忍久保 洋

 

 応化会会員の皆さまには、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。日頃より応用化学系教室の活動にご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 現在、応用化学系教室は大転換期の真っ只中です。来年4月から、工学部・工学研究科の改組により新学科・新専攻がスタートします(詳細は名大工学部ホームページをご覧ください)。残念ですが、この改組により「応用化学」という伝統ある名前がなくなってしまいます。具体的には応用化学分野と物質制御工学専攻、結晶材料工学専攻および未来材料・システム研究所(旧エコトピア科学研究所)の応用化学系研究室に加えて、生物機能工学分野の研究室がすべて合流し、学部レベルでは「化学生命工学科」という新学科に再編されます。これによって、工学部化学系研究室は明確な形で1つの学科を形成し、外部から見て大変分かりやすい構成になります。一方、大学院レベルでは「化学生命工学科」に属する各研究室がその専門性によって分かれ、「有機・有機高分子化学専攻」「応用物質化学専攻」「生命分子工学専攻」という3つの専攻を形成します。この変化にともない、カリキュラムの変更、入学試験の一本化、教室運営のすり合わせなど実に様々な課題が次から次へと湧いてきて対応に追われております。

 このように常に何か落ち着かず、ばたばたしている中ではありますが、幸い応化教室は高いアクティビティを維持しております。教員や学生が多くの受賞の栄誉に浴しておりますので、是非一度応化ホームページでご覧ください。教員の異動では、本年3月に西山久雄先生がご定年を迎えられました。西山先生の応化教室への永年のご功績に対し篤くお礼申し上げます。また、永縄友規助教、兼平真悟助教、金日龍助教が転出されました。新天地での益々のご発展を期待しております。一方、松田亮太郎教授(H27.11、応7)、堀彰宏助教(H28.4、応7)、荒巻吉孝助教(H28.4、応6)、内山峰人助教(H28.4、応5)、馬運声特任准教授(H28.9、応7)、山下誠教授(H28.10、応4)、中村仁助教(H28.11、結5)が続々と着任されています。新進気鋭の若手新教授をお迎えし新しい研究室がスタートすることにより、応用化学系教室にも新たなエネルギーが注入され、力強く前進していけるものと信じております。

 この工学部改組をさらなる発展へのチャンスと捉え、教職員・学生一同奮闘しております。学科再編により同窓会をどのように運営するかについても変化が予想されますが、応化会の諸先輩方々、卒業生諸氏におかれましては、今後とも旧応用化学系教室および新化学生命工学科への変わらぬご支援を今後ともたまわりますようお願いいたします。(平成28年12月13日受理)