大井研究室 Research

1,2,3-トリアゾリウム塩

1,2,3-トリアゾールは、クリックケミストリーと呼ばれる方法によって簡単に合成できるヘテロ五員環芳香族化合物です。なかでも、1,4-位に置換基をもつ1,2,3-トリアゾールは、アルキル化反応によってトリアゾリウムイオンに変換されると、C-5位の酸性度の向上によって、高いアニオン認識能を示すようになります。 このような分子構造に由来するユニークな特性に着目し、私たちは、トリアゾリウムイオンを核とするキラル有機分子触媒を世界に先駆けて開発しました。独自に設計したトリアゾリウムイオンは、合成が容易で幅広い構造多様性をもち、不斉相間移動触媒反応をはじめとする様々な結合形成反応において卓越した立体制御能を発揮します。実際、開発したトリアゾリウム塩を触媒として活用することで、前例のない高難度不斉合成反応の実現に成功しています。

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