イオン液体への金属スパッタ蒸着法を用いるIn/In2O3コアシェル
粒子の作製と熱処理による中空ナノ粒子の作製


真空蒸着や金属スパッタリングは、固体基板上に高純度の金属薄膜あるいは金属ナノ粒子を作製する手法として、よく知られたものである。私たちの研究グループでは、この技術を利用し、真空下に保持したイオンに対して金属スパッタリングを行い、金属ナノ粒子を作製することに成功している。
本研究では、非常に還元力の大きな金属であるインジウム(In)を、スパッタ蒸着することにより、金属Inナノ粒子の高精度な合成法を確立した。得られた粒子は、Inコア粒子表面をIn2O3が被覆したコア/シェル構造を持つ粒子であった。さらに、この粒子を空気中で熱処理することによって、非常に小さな中空ナノ粒子を作製することができた。得られたn2O3中空ナノ粒子は、触媒担体や電子材料など、高機能材料として利用することができる。
本研究は、JST CREST 研究領域「ナノ科学を基盤とした革新的製造技術の創成」研究課題名「イオン液体と真空技術による革新的ナノ材料創成法の開発(代表 桑畑進 大阪大学工学部教授)」(分担者:岡崎健一)による研究支援を受けて行われました。

 Chem. Mater., 22, 5209-5215 (2010). に関連論文が掲載。

 

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