ZnS-AgInS2ナノ粒子を光増感剤とする新規太陽電池と
その光-電気エネルギー変換メカニズム


半導体ナノ粒子は、粒子サイズ制御によって自在に制御可能なこと、可視光領域で幅広く光吸収すること、有機色素に比べて耐光性が高いことなど、特異な性質を示す。現在、このナノ粒子の優れた光吸収特性を利用して、光エネルギー変換デバイスへの作製が活発に研究されている。たとえば、色素増感太陽電池の有機色素に代わる増感剤として半導体ナノ粒子を用い、増感太陽電池を作製することができる。 
私たちの研究室では、Cdなどの毒性の高い元素を含まないZnS-AgInS2固溶体(ZAIS)ナノ粒子の作製に成功し、このナノ粒子が紫外光照射によって強く発光することを見出している。そこで、本研究では、このZAISナノ粒子をZnOナノロッド電極に担持し、増感太陽電池の作製を行った。可視光照射(λ < 700 nm)によって、効率よく光-電気エネルギー変換が達成されたことから、第3世代太陽電池の光吸収層として、ZAISナノ粒子が有望であることを見出している。
本研究は、最先端・次世代研究開発支援プログラム「光による半導体ナノ粒子の異方性形状制御とエネルギー変換材料への応用」(代表者:鳥本 司)による研究支援を受けて行われました。
http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/jisedai_saitakuichiran_green.html

 RSC Adv., 2, 552-559 (2012). に関連論文が掲載。

 

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