Future Colleague of Seki Laboratory

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 当グループでは、高分子・液晶・ゲル・両親媒性分子といったソフトマテリアルにおける新たな機能を創出していくことを目指しています。有機分子や高分子を合成し(synthesis)、集め(assemble)・並べ(align or orient)、組織化(organize)し、機能(function)を作っていく研究をするところです。合成→組織化→機能評価といった材料研究の「ひととおり」を学生自身が一貫して体験することができます。

 機能としては、おもに分子自身が“うごく”ことによって発現する作用を扱っており、その駆動源は“光”が中心で、フォトクロミック分子がその担い手です。各種ソフトマテリアルをナノからより大きなレベルへの組織化・階層化やハイブリッド化を通じて機能を増幅、また、新たな機能を実現しようとしています。


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 当グループは、皆さんひとりひとりの個性を伸ばし、自由な発想で研究を進められる雰囲気を作っていく方針でいます。4年生の最初から自主的に動ける人はいません。しかし、最初はわけがわからないけれど、縁あって出会った実験を進め、スタッフをはじめ、周りの先輩や同僚の研究に触発され、先端の研究の講演や文献に触れているうちに、やってみたいことが心の中に生まれてくると思います。また、ぜひそのようになっていただきたいと思います。スタッフは、それに応じてディスカッションできる柔軟性を常に持ち合わせていきたいと考えています。

質問の多かった卒業生の進路はこちらです。(クリックして下さい)
少し踏み込んだ話になりますが、以下もお読みください。
トップページの絵の意味がより理解できます。

(1)分子組織工学・・?

 この研究室は分子組織工学研究グループと呼ばれています。ちょっと堅苦しい名前に思えるかも知れませんが、そんなことはありません。いくら高性能な分子でも無造作に集めただけでは、望む機能は生まれません。いかに分子の機能が材料のレベルで発揮される仕組みをつくるかが鍵です。それには、分子組織体や材料の境目である“界面”をしっかり見つめ、それを制御する方法を見つけていくことが重要です。そうした組織体を目的の場所に的確に置いて並べるパターニング技術の開発も不可欠です。

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(2)ソフトマテリアルを動かすこと・・

 生命活動は動くことが基本です。“うごく”システムの典型例として生体の筋肉の組織を分子レベルまで拡大して眺めてみます。そこには、アクチンとミオシンのタンパク質の巧みな集合体(超分子集合体)が“組織”されていて、異種のタンパク質同士の“動く界面”にて効率的に見事な駆動が実現しています。
 人工的に合成した分子や高分子でこのようなシステムを組むことはできませんが、どのようにすればそれに近づくことができるかを考えていくことは、壮大な挑戦です。界面を見つめるアプローチの途中で、今まで知られていなかったような新しい現象に出会う幸運に恵まれることも多いに違いありません。

グループではそのような研究の過程で、これまでに、

  1. 光をあてることで、3−4倍の伸縮を示す単分子膜(分子一つの厚みの膜)の発見(フォトメカニカル効果)
  2. 偏光を感じて向きをそろえる単分子膜によって、液晶・高分子、ポーラス材料の細孔の方向をそろえる方法の開発
  3. 液晶を使って全く疎水的な高分子の水面単分子膜を作る方法の開発
  4. 光を少し当てるだけで、横に動いてレリーフ造形が勝手にできてしまう液晶高分子膜の発見

など、それまでの常識では発想されてこなかった現象の発見や分子システムの構築を可能としてきました。

光で膜が動いてレリーフができる現象そのものは、既に知られていましたが、当グループで開発された液晶高分子の移動はきわめて高感度で、それまで数10分かかって動いていたものが、数秒の露光で動いてしまいます。それだけでなく、光を当てなくても動き続けたり、これまでに知られていない種々の風変わりな動きをします。
 これらの理解と応用を進めるための研究を、現在、進めています。
 ところで、合成高分子系ではゲル材料が動く材料の代表格ですが、このことは(4)を見てください。

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(3)ナノ構造制御と光

 ナノテクノロジーという言葉がマスコミで多く聞かれますが、何も今に始まった研究領域ではありません。しかし、ナノレベルサイズの構造制御の重要性がますます強く認識されてきていることは間違いありません。
 当グループでは、おもにラングミュア−ブロジェット(LB)法を用いたナノ薄膜調製においてナノ技術との接点があります。ポリシラン、半導体高分子、アゾベンゼン高分子や尿素を持つ水素結合性物質の界面でのハンドリングと制御を行っています。
 扱う物質は多種多様ですが、光異性化や光二量化を起す分子を付けた高分子、共役系高分子、液晶(流動的で自らならぶ物質群)が中心です。

1)疎水性高分子の単分子膜形成と機能化

 これまで不可能であった疎水性高分子の理想的な単分子膜を形成し、固体界面や電極界面の高分子鎖モデルとして、電子構造やコンフォメーション状態を明らかにする研究。

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2)ブロックコポリマー単分子膜の表面モルフォロジーの制御

 全く同じブロックコポリマーを用いて、その単分子膜におけるナノオーダーの表面形状を規則的に並べる、違うものに変える研究。

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3)光機能性ブロックコポリマーの単分子膜フォトメカニカル効果やこれら2次元分子材料でのナノ相分離構造の光制御

 アゾベンゼン分子は、そのシス-トランス光異性化によって分子の集合状態が大きく変わる。ブロックコポリマーにアゾベンゼンを組み込むことによって、その変化を可視化、ナノ構造が大きく変わる。

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4)光機能性ブロックコポリマーのミクロ相分離構造の光配向制御

 偏光を照射するとアゾベンゼン分子を並べることができる。ブロックコポリマーにアゾベンゼン分子を組み込むことで、分子よりもはるかに大きい、ミクロ相分離構造を並べる、動かす研究。

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5)メソポーラス材料の細孔配向制御

(約3ナノメータ径の多孔物質において細孔の向きを偏光を用いて方向をそろえる。)

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など、ナノ構造制御において重要なテーマを研究しています。

まだまだ様々なテーマが進行中です。

(4)ゲルと刺激応答性高分子

 竹岡 敬和(たけおか ゆきかず)准教授は、高分子ゲルを専門とし、ゲル(ハイドロゲル)の中に規則構造を持たせて光を干渉させて発色させる(これを構造色という)研究をしています。このゲルはいろいろな刺激できれいに色が変わり、さまざまな発色センサーとしても機能します。
竹岡准教授のページへのリンク

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このほか様々な機能性ゲル研究を進めています。
(図は、Takeoka&Watanabe, Langmuir 2003, 19, 9554-9557 より)

博士後期課程や学振特別研究員で当グループにて研究にチャレンジしませんか!

 博士後期課程(修士修了者、社会人コースも含む)の学生を募集しております。当研究室では、学生の皆さんの意思を重んじる体制作りをモットーとしており、スタッフや他の学生とのディスカッションをはじめとして、自由な雰囲気にて研究にチャレンジできる環境です。学振特別研究員も歓迎です。

 研究内容は、光機能分子合成、高分子合成、薄膜やコロイド結晶などの材料化、光照射装置、構造評価、光学特性などの物性評価など、さまざまなテクニックを一貫して経験でき、材料ナノテクノロジー研究の一端を実感できる環境を整えております。
また、名古屋大学工学研究科では、すべての博士後期課程の学生に書籍、パーソナルコンピュータ、消耗品費等に使用できる研究補助を用意しており、円滑な研究活動のスタートに活用できます。

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 当グループのホームページ等をご覧になって研究テーマに興味をもたれた方は、遠慮なくコンタクトしてください。お待ちしております。

関 隆広

研究テーマ研究テーマ(新4年生用)進路状況


〒464-8603 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院工学研究科 物質制御工学専攻
有機材料設計講座 分子組織グループ(関 研究室)


Department of Molecular &
Macromolecular Cheimstry
Graduate School of Engineering
Nagoya University