大井研究室 Research

アンモニウムベタイン

アンモニウムベタインは、共有結合でつながれた一つの分子骨格中にカチオンとアニオンを同時に含む、分子内イオン対型アンモニウム塩です。このため、独立したカチオンとアニオンの対である一般的な分子間塩とは異なり、カチオンとアニオンの空間的な配置を分子構造にプログラムできます。また、反応系内で常に二つのイオン部位が適当な距離に位置し続けるため、カチオンとアニオンが協働的に作用する真のイオン対触媒として働くと期待されます。しかし、これまでベタイン分子を触媒として取り上げる研究は皆無でした。私たちは、このようなベタイン分子のユニークな特徴に初めて光を当て、ベタインの構造に内在する触媒としての力を巧みに利用すると様々な炭素−炭素結合形成の立体化学を精密にコントロールできることを実証しています。

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