RESEARCH
ナノポーラス金属錯体とは?
ナノポーラス金属錯体とは、金属錯体で作られるナノ多孔性物質の総称です。その中でも金属イオンと有機分子が配位結合を介して無数につながり、マクロな骨格を成す物質はMetal–organic framework (MOF)とよばれています。ほとんどのMOFは結晶性であるため、骨格内部には均一なサイズのミクロ孔を無数に有し、様々な小分子を捕捉することができます。MOFを構成する有機配位子と金属イオンの組み合わせは無限にあり、また骨格構造も多様であるため、MOFは非常にバラエティに富んだ物質群です。そのため分子吸着に代表されるMOFの性質や機能も多岐にわたり、従来不可能とされていた選択的な分子捕捉を可能にするなど、優れた性質を有するMOFも当研究室で発見しています。また、ナノポーラス金属錯体は、錯体由来の光物性、磁性、伝導性などの物性と、ナノ空間の特性を融合させ、複合機能を創出する、新たなプラットフォームとしても期待される物質です。