化学の力で二重らせんを作る ー らせんを究める ー

in English

研究のねらい/目的

生体高分子はらせん構造をとる

八島研究室では、らせん構造が生体高分子の示す生命の機能である「分子認識能」や「触媒機能」、「情報機能(修復、複製機能等)」を発現し得る重要な因子の一つとしてとらえ、新たな概念・発想、分子設計にもとづいて新規ならせん分子や超分子、高分子、二重らせん(高)分子を創製し、それらを基本骨格に用いて、らせん構造に由来する特異な「分子認識能」や「触媒機能」、「情報機能」を示す新物質の創製(超構造らせん)を目指す。さらに、単一らせん分子から二重らせん超分子・高分子、超分子集合体に至るまでの各階層を構築しうる一般性の高い方法を確立し、それらの構造を明確にする、あるいは構造の可視化を可能にする手法の開発に取り組むとともに、超構造らせんに由来する様々な機能の探求等、らせんを介して生命機能の発現およびその原理等の探求を推し進め、化学と生命科学が融合した新たな研究領域など、化学の新しい分野の開拓をも目指しています。超構造らせん(高)分子を創製してその機能を探索しようとする本研究は、DNAやタンパク質等のらせん生体高分子の動作原理等を活用した、既存の高分子の性能を遙かにしのぐ革新的材料を創出し得るものであり、各種の機能性材料、生体適合性材料、キラル材料、生体分子やキラル医薬品等の高感度センシングや実用的光学分割・不斉合成を可能にする人工超分子システムの開発、バイオデバイス等の創製に繋がることが期待されます。

研究全般の参考となる総説

二重らせん

らせん超分子・高分子全般

顕微鏡(AFM)によるらせん構造の直接観察

これまでの研究成果