研究室だより

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有機・高分子化学専攻応用物質化学専攻生命分子工学専攻創薬科学研究科 基盤創薬学専攻

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機構造化学(忍久保研)
忍久保 洋、福井 識人、髙野 秀明

研究室の近況

 本年度の研究室は教員3名、事務補佐員1名、博士研究員2名、訪問研究員2名、博士課程院生3名、修士課程院生10名、学部生4名の総勢25名の構成です。昨年度の12月に助教の髙野先生が着任されるとともに、今年度はM1の半分が他大学から入学するなど、新たな顔ぶれにたくさん囲まれながら新年度がスタートしました。また、上記のメンバー以外に中国やタイから留学生・研究員を受け入れるなど、国際色が豊かになりつつあります。
 研究に関しては、今年も引き続き共同研究も増え、異分野とのコラボレーションがますます進んでいます。また、今まで行ってきた研究が次々と形になり、論文として報告することができました。受賞に関しては、この1年の間に、昨年度M2の田中さんが日本化学会東海支部長賞を、本年度M2の三輪さんが基礎有機化学討論会ポスター賞をそれぞれ受賞しました。
 今年はコロナに関する規制がほとんど無くなったため、バーベキューや忍久保家パーティー、研究室旅行、ソフトボール大会などが復活し、やっと日常が戻ってきています。卒業生の皆様もお元気に過ごされているようであれば嬉しいです。名古屋にお越しの場合は、ぜひお気軽に研究室にお立ち寄りください。アポなしでも大歓迎です!

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機元素化学(山下研)
山下 誠、森本 祐麻、中野 遼

ソフトボール大会決勝進出!!!

 名古屋での研究活動も7年目となりました。昨年度9月に大阪大学より森本祐麻博士が准教授として着任されて以降は、スタッフ4名(教員3名・秘書1名)の研究・教育体制で研究室を運営しています。2023年10月からはドイツより短期訪問研究学生(6ヶ月)が参加して、博士研究員(中国人・カナダ人)2名、学生17名(博士4名(うち中国人留学生2名)・修士9名・学部4名)と共に楽しくやっています。秋の国内学会では対面開催も完全に復活し、有機合成化学セミナーで博士2年の山梨が、有機金属化学討論会で修士2年の宇野がポスター賞を受賞しており、安定して高いレベルの研究を進められるようになってきました。他にも学生たちは基礎有機化学討論会や各種若手の会へ参加して研究発表を行いながら研鑽を積んでいるのは卒業生のみなさんと同様です。研究は山下・森本・中野を中心にホウ素化学・求核的アルミニウムアニオン・触媒的アルカン水素移動・触媒的アクリル酸合成・多核錯体の合成と触媒応用などを展開しており、相変わらず活気のある研究室と言える状況ですね。そしてなんと学科の研究室対抗ソフトボール大会で今年は決勝に進出しています!!あとは上垣外研との決勝戦を残すのみですが、ケガのないように健闘してもらいたいところです。毎度のこととなりますが、卒業生のみなさんは是非研究室に顔を出して後輩に人生の楽しさを教えてあげてください。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機反応化学(大井研)
大井 貴史、大松 亨介、荒巻 吉孝、中島 翼

「グリーン触媒科学」がスタートしました

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。本年度からの新メンバーとしてM1の橘さん、学部4年生の秋田さん、大西さん、北橋君、日高君の5名が加わり、それぞれが早速個性を発揮して、大井研に新しい風を吹かせています。また、今年度から大井先生を領域代表とする新学術変革領域A「グリーン触媒科学」が発足し、無機・錯体化学、計算科学、電気化学などの他の領域との協創研究により、ラジカル反応をより高度に制御する触媒の創製に取り組んでいます。
 ニュース等ですでに耳に入っている卒業生もいるかと思いますが、本年度の7月末の未明にITbM棟の3階居室において火事が発生し、一部が焼損する被害が出ました。幸い人的被害はなく、実験室は無傷だったため、3階メンバーが一時的に5階に居室を移動するだけで、研究活動への影響は最小限に留まりました。卒業生のみなさんにはご心配をおかけしましたが、実験自体は変わらずアクティブに行っています。
 最近では卒業生の追いコンなどの飲み会や研修旅行
も復活し、すっかりコロナ禍前と同じような研究室生活に戻ってきています。近くに足を運ぶ機会がありましたら、卒業生のみなさんもぜひ研究室にも顔を出して、以前と同じように後輩たちと語らい合う機会を作ってもらえればと思います。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 触媒有機合成学(石原研)
石原 一彰、ウヤヌク ムハメット、大村 修平

『有機合成法の心得十二箇条』

 10月現在、当研究室には、D3が3名、D2が1名、D1が1名、M2が6名、M1が7名、B4が4名の合計22名の学生が在籍しており、日々の研究に切磋琢磨しています。
 さて、現代社会に目を向けると、プラスチックや医農薬品など、様々な高機能物質の開発が人々の暮らしを豊かにしてきました。しかし、その弊害として、資源の枯渇、公害、地球温暖化などの問題を抱えることとなってしまいました。持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、望む物質をクリーンかつ選択的に製造する方法の開発が急務であり、その鍵を握るのが触媒です。
 当研究グループでは、SDGsの観点から「有機合成法の心得十ニ箇条」を新たに提案し、未来指向型触媒的有機合成法の開発を目的に研究しています。具体的には、(1)省エネが期待されるフォトレドックス触媒(資源豊富な鉄を利用)、(2)元素戦略に基づくハロゲン触媒( 酸化還元触媒、ハロゲン結合)、(3)ステップエコノミーが期待されるカスケード反応触媒( 比較的安価な銅を使用)などを挙げることができます。

有機合成法の心得十二箇条
1. Energy Saving: エネルギー供給に媒体不要な光反応、マイクロ波、電気分解
2. Element Strategy: 元素戦略(豊富な元素資源の活用)
3. Atom Economy: 原子効率(E-ファクター(=廃棄物量/目的生成物量))の低減、高収率、高選択性)
4. Catalysis: 高いTOF(触媒回転頻度)とTON(触媒回転数)
5. Chiral Economy: 不斉触媒
6. Pot Economy: 少ない精製工程数(同じ反応容器内で複数の化学変換を進行させる。)
7. Redox Economy: 少ない酸化還元工程数
8. Step Economy: 短工程
9. Conditions Economy: 安全かつ温和な反応条件
10. Technique Economy: 安全かつ簡便な反応操作・後処理・分離精製
11. Time Economy: 短時間合成(生産効率) 、マイクロフロー
12. Environmentally Benign: 毒性または危険性の高い物質を使わない。廃棄しない。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 高分子物性学(高野G)
高野 敦志、野呂 篤史

高分子物性学研究室の近況をお知らせします

 皆様、お元気でお過ごしですか。高分子物性学グループの近況をお知らせします。2020年3月に松下裕秀先生が定年退職されてから、高野と野呂のスタッフ二人体制で研究・教育活動を進めております。現在、配属学生は学部4年生2名、修士学生5名で、さらに研究員6名と秘書1名を加え、合計16名です。これまでの研究室の伝統を受け継ぎ、学生さんに対しては「 よく遊び、よく学べ」をモットーとして研究、教育を進め、「卒業後、世の中の役に立つ人づくり」を信条とする人材育成に努めております。コロナ禍もようやく収まり、構成員一同、相変わらず元気で活動しております。これまでの研究を継承して、高野は様々なモデル高分子の精密合成とその物性探索に、野呂は非共有結合性エラストマーの応用から新規プロトン伝導性高分子電解質膜の調製などに精力的に取り組んでいます。以前は伝統的にスポーツが得意な体育会系の研究室でしたが、この数年間、スポーツ大会が全く開催されなかった影響もあり、いくらか大人しい研究室になりました。ただ、研究面では以前の粘り強さや情熱に変わりはなく、日々、こつこつ前進しています。名古屋へお越しの際は、是非お気軽に立ち寄って研究室の元気な姿を直接お確かめ下さい。構成員一同、心よりお待ちしております。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 機能高分子化学(上垣外研)
上垣外 正己、内山 峰人、渡邉 大展

近況報告です!

 卒業生のみなさん、いかがお過ごしでしょうか。
この4月に、本間千裕特任助教が、東工大に助教としてご栄転されました。本間先生、ありがとうございました。一方、修士課程1年生の1名、学部4年生の5名が新たに加わり、合計19名のメンバーで研究室を運営しています。また、夏にはJSPSのサマー・プログラムとして、フランスから博士課程の学生が1名滞在しました。にぎやかな研究室生活を楽しんでいます。
 学会活動もコロナ禍前の状況にほぼ戻りました。5月には高分子学会年会が高崎で、9月には高分子討論会が香川で開催されました。高分子討論会は、4年生も含めて全員で参加し、うどんも楽しんできたところです。また、7月に札幌で開催された国際会議IPC2023には、修士課程1年生全員と教員が参加し、内山先生が招待講演、渡邉先生と本間先生が口頭発表、学生がポスター発表を行いました。2件のポスター賞を受賞し、大変貴重な機会となりました。また、サッポロビール庭園で楽しい時間も過ごすことができました。
 鏡友会など主催のスポーツイベントも復活してきています。昨年のポリマーズカップでは揃いのTシャツを作った甲斐もあり、なんと優勝しました!
 研究面では、精密重合や精密高分子合成、バイオベースポリマーに加え、高分子の分解に関する研究にも注力しています。これらの研究成果をどんどん発表していきたいと思っています。
 是非みなさん、お立ち寄り頂ければ幸いです。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 高分子組織化学(竹岡G)
竹岡 敬和、原 光生

コロナ禍明けに伴う研究室の活性化

 本年度の研究室は、教員2名、事務員1名、研究員3名(内会社からの派遣研究員1名)、博士研究員1名(タイより)、博士後期課程4名(全員中国から)、博士前期課程7名(各学年に中国から1名ずつ)、学部生3名の計21名の構成です。
 本年度は、新しいメンバーを迎えるための歓迎会も久しぶりに開催でき、10 月には、金沢へのゼミ合宿も学生が企画してくれており、研究室にも活気が戻りつつあります。研究活動としては、9時半から18時までをコアタイムとする中で、皆非常に効率良く実験
に取り組んでくれており、それらの成果は、群馬での高分子学会、香川での高分子討論会を始め、多くの学会に対面にて発表致しました。学生達は、沢山の発表賞も受賞してくれており、研究においてもしっかりと活躍してくれています。
 参加した学会では、コロナ禍ですっかりと連絡が途絶えてしまったOB、OG 達と会える機会が増え、会社で活躍する先輩、会社から派遣されて博士を取得するために再び大学に行っている先輩達などもおり、大いに刺激を受けているようです。
 来年度は、沖縄の万国津梁館において、高分子ゲルに関する国際会議を主催する予定で、国内だけで無く、海外でも活躍しているOB、OG 達にも参加を呼びかける予定です。世界中で活躍する先輩方からの刺激をさらに受けて、現役の学生達にも研究を楽しんでもらえるような環境作りに取り組んでいます。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 超分子・高分子化学(八島研)
八島 栄次、井改 知幸、沖 光脩

八島研最終年度!

 新4年生も4名加わり、八島研は今年で26年目、最終年度を迎えました。最近の研究室の大きな変化として、2022年6月から1年間研究を共にしたDatong Wu先生が常州大学(中国)に戻られました。Wu先生のさらなる飛躍を祈念しています。また、国立清華大学(台湾)のRong-Ming Ho教授とHo研究室のSheng-Wei ShaoさんがそれぞれVBL客員教授と留学生として2023年7月から1ヶ月間滞在されました。日々の研究に新風を吹き込んでくれましたこと感謝いたします。
 嬉しいニュースとして、4年ぶりの高分子合同研究会 (オリオン会)が9月に開催できました。教員にとっては久々の、学生にとっては初めての学会運営となり、慣れない部分もありましたが、当日は各研究室から選りすぐりの講演者による素晴らしい発表と参加学生同士の活発な議論(+久しぶりの懇親会)によって、予想以上に盛況な研究会となり、感無量です。今年はその他の学会にも対面で参加でき、学生も他研究室の発表に良い影響を受けているようです。今後のラセン研究を大いに盛り上げてくれることを期待しています。
 研究室恒例の講座旅行は、残念ながら再開できませんでしたが、ソフトボール大会は今年も開催される予定とのことで、前回の記録(2位)を上回り、是非、有終の美を飾ってほしいと願っています。対面での学会も増えてきましたので、そろそろ同窓会等も再開できるでしょうか。皆さんと久方ぶりに対面で会って話ができるのを楽しみにしています。

応用物質化学専攻 応用物理化学講座 触媒設計学(薩摩研)
薩摩 篤、沢邊 恭一、織田 晃

近況報告

 本年度の研究室は教員3名、事務職員1名、院生10名、学部生5名の構成です。COVID-19がこの5月にようやく5類感染症に移行し、講義、課外活動、学会活動がようやく元に戻りつつあります。特筆すべきはソフトボール大会が復活したこと。順調に勝ち進み、次は準決勝。今年の4年生は気合いが入ってます。気合い入りすぎで練習しすぎて骨折者が出ました。そりゃあかんやろ。
 触媒学会は今年の秋は北海道大学での開催で研究室の先輩である神谷教授・清水教授にお世話になります。しっかり発表して、北の旨いもので打ち上げだ!ちなみに、来年は名古屋大学で開催予定。触媒のお仕事を続けておられるOB, OGの皆様は是非ご参加下さい。新しくなった7号館(EI創発工学館に改称)やシン・北部生協もご覧いただけたらと思います。国際触媒会議は来年フランスのリヨンで開催。次回の日本開催を目指している触媒学会(薩摩は今年度会長です)からは多くのエントリーが期待されており、我々も頑張って申し込みます。市街地はトラムで周遊できて、お肉料理のうまい街。モチベーションが上がります。
 研究はシングルアトム触媒やエピタキシャルレイヤーなど、特徴ある構造を持った材料で、水素キャリア用触媒、メタン選択酸化、温室効果ガスの分解など、環境問題、資源問題の解決に寄与する触媒開発を継続中です。

応用物質化学専攻 応用物理化学講座 材料設計化学(鳥本研)
鳥本 司、亀山 達矢、秋吉 一孝

鳥本研究室の近況報告

 同窓生の皆様お元気でしょうか?今年も亀山より、鳥本研の近況を報告します。学位取得直後鳥本研に加わって、早5年の秋吉先生が助教となり、また4月に4名のB4と2名のM1、10月から1名ずつM1、D1の中国人留学生が加わったことで、今年度の研究室の構成員は30名(3年連続最多記録更新中!)になりました。学生同士仲良く明るい雰囲気なのは良いのですが、時々居室で盛り上がり過ぎるのでヒヤヒヤします(別の研究室かと錯覚します)。お揃いのユニフォームを作って臨んだ冬のサッカー大会では、惜しくも準優勝!しかし、今年は大型補強に成功したので、次こそ優勝待ったなしとのこと。こうして培った情熱とチームワークが、研究に対する士気も高めてくれているはず!ですよね!?
 研究活動は、研究室発足以来のテーマである(1)新規多元系半導体ナノ粒子の創製と発光・光エネルギー変換への応用、(2)イオン液体/金属スパッタリングによる複合金属ナノ粒子の作製と機能材料開発の2つを軸に引き続き行っています。ご存じの通り2023年のノーベル化学賞は量子ドット合成研究に対して授与され、今も大変ホットな研究分野であり続けています。また、2024年春の電気化学会は鳥本研が世話役となり、名古屋大学にて開催されます。お仕事で電気化学に少しでも関係される卒業生の皆様は是非ご参加頂き、研究室や最近きれいになった大学をご覧いただけたら幸いです。

応用物質化学専攻 固体化学講座 構造機能化学 (松田研)
松田 亮太郎、井口 弘章、日下 心平、QU Liyuan、 PIRILLO Jenny

スタッフがさらに増えました

 卒業生の皆さん、お元気ですか? 2023年度は4月に土方特任准教授(未来社会創造機構所属)、Pirillo特任助教、Gwee博士研究員及び土井技術補佐員が新たに着任されました。現在の研究室は教員(6名)、研究員(1名)、技術補佐員 (1名)、D3(1 名)、D2(2名)、M2(5名)、M1(6 名)、B4(5名)の27名が所属しています。スタッフが増えて研究体制が強化されました。
 松田研究室では、新しい多孔性材料であるナノポーラス錯体を対象に、光を利用した構造変換・分子捕捉やガス吸着分離、電子機能発現などの研究を引き続き行っています。新任教員の二人が得意とする理論計算も研究の柱に加わり、新たな研究の展開も始まっています。現役・卒業生の研究成果もどんどん論文として報告していく予定です。2023年9月には錯体化学討論会にて淺井君がポスター賞を受賞しました。また、中城君が博士の学位を取得し、産業界でもMOFを活かすべく早速活躍しています。
 この一年も科研費、JST、民間助成、学内外の共同研究と多くのプロジェクトで研究を進めることができました。COI-NEXT変環共創拠点の活動も本格的に始まり、産学官民が一丸となって、日本における新たな資源・エネルギーを共創していくべく奮闘中です。
 研究室生活はようやくコロナ禍前の活動に戻り、9月には恒例の研究室旅行を再開して京都に行きました。卒業生の皆さんもぜひ気軽に遊びに来て下さい。

応用物質化学専攻 固体化学講座 機能材料化学(大槻研)
大槻 主税、鈴木 一正、松川 祐子

新体制での研究活動

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。大槻研究室では、生体に働きかけるセラミックスや環境に調和した材料の創製を基軸において、教育と研究を進めています。セラミックスのみならず、生体に適合する有機高分子や機能性有機-無機ハイブリッド材料の開発も進めています。工学研究科・工学部1号館8階にある大槻研の実験室には、セラミックス合成用の装置とともに、細胞や菌の培養スペース、分光装置や熱分析、力学試験機が備わっています。材料の合成から解析、評価までを取り組める体制が整いました。学生はそれぞれ独自のテーマに取り組みながら、セラミックスから生体分子まで、幅広い素材に関する知識と経験を身につけていきます。
 また研究室は、2022年4月に中村仁先生が九州工業大学に、2023年4月に藤本和士先生が関西大学にそれぞれご栄転されました。一方で、新たに2022年12月より鈴木一正先生、2023年9月より松川祐子先生が研究室スタッフとして加わり、新体制で活動しています。博士学生や留学生の数も多くなり、にぎやかな研究室となっています。先輩の面倒見がよく、卒業生同士や、卒業生と現役生の交流が長く続いているのは、大槻研究室の伝統となってきています。お近くにお越しの際には、ぜひ大槻研究室にお立ち寄りください。

応用物質化学専攻 固体化学講座 多孔材料化学(中西研)
中西 和樹、長谷川 丈二

学術変革(A)「超セラミックス」に参画

 5年目に突入した中西研は、スタッフ3名とD1(社会人):1名、M2:3名、M1:4名、B4:4名の計15名となりました。今年度も相変わらず学生主体で頑張っています。3月に5名が卒業・修了し、4月に7名が新たに加わりましたので、研究室の雰囲気が大きく変わりました。また、発足以来、当研究室は大半をコロナ禍で過ごしてきましたが、学内のイベント復活や学会の現地開催など、本格的に本来の研究室生活に戻りつつあります。ちなみに、初めて参戦したスポーツ大会は、たっぷりと練習を積んだにもかかわらず、秋のフットサル・春のソフトボール、ともに初戦で敗退しました。早く初勝利が欲しいところです。
 研究面では、多孔質セラミックス粒子の構造制御に関する研究が、学術変革領域研究(A)「超セラミックス」の公募研究として採択され、他の研究グループとの共同研究が盛んになりそうです。他大学の研究者・学生との交流を通して、学生たちが一層成長してくれることを祈っています。また、企業との共同研究のお話も複数いただいていて、ますます忙しくなりそうです。今後は、国際共同研究も活発にしていきたいと思っています。

応用物質化学専攻 固体化学講座 機能物質工学(長田研)
長田 実、小林 亮、山本 瑛祐

ポストコロナ

 2018年1月に長田研がキックオフしてから、5年半がたちました。私たちの研究室では、原子数子分の厚みを有する無機二次元物質「無機ナノシート」に着目し、新規ナノシートの精密合成、ナノ構造体の構築、電子材料・エネルギー材料への応用を進めています。構成員は相変わらずの大所帯で、教員3名、補佐員3名、博士5名、修士2年6名、修士1 年7名、学部4年6名の総勢30名で活動をしています。ここ数年間はコロナ禍もあり中々思うように活動をできないこともありましたが、最近ではポストコロナの時代に入りつつあり、研究室バーベキューやソフトボール大会などの交流も段々と戻ってきました。そろそろ研究室旅行も再開しよう、といった話も出ておりますので、OB ・OGの皆様もご予定が合えばぜひご参加ください。研究面でもこれまでの成果が実り、今年だけで既に論文が10本以上採択、そのほかにも新聞やウェブニュースで取り上げて頂いたり、学会で発表賞を沢山受賞したりと、どんどん勢いのある研究室になっています。最新情報はホームページに掲載しておりますので、ぜひ一度ご覧になってください。

応用物質化学専攻攻 固体化学講座 ラジカル化学(熊谷G)
熊谷 純

研究室近況

 昨年度末に小木曽未歩さんと李東俊君が卒業して就職し、今年度は平岡遼君(M1)、河原颯太君(B4)、三矢奏来君(B4)の3名が新しく配属となり、 LEE Gunik君(M2)と合わせて4名の学生と研究を進めております。
 研究テーマは、スピントラップ剤を用いた光触媒カルボン酸分解反応の中間体ラジカルの研究、放射線照射で無機水和物中に生じる水素原子のキャラクタリゼーション、様々な条件で硬化したセメント硬化体やジオポリマーからの水素分子発生挙動の研究を行っております。後者は放射性廃棄物処理に関わる共同研究になります。客員教授の原田勝可先生も先端向け機能材料の開発を進めております。コバルト60γ線照射室は、今井重文技師に加えて森本浩之技術職員が管理者に加わり、防護・管理体制を拡充して運営しております。
 9月28~29日に熊谷が実行委員長として第66回放射線化学討論会を名大ES館で開催し、全国から多くの研究者が集まり、当研究室で昭和40年に学位を取得された伊藤政幸さんにも発表していただきました。コロナ後としてははじめて懇親会を再開することもできて、久しぶりの再会を皆喜んでおりました。学生達もタイムキーパー・マイク係・照明係として活躍した次第です。
 OB・OG・旧職員の皆様のご健勝を祈念しております。研究室同窓会でお目にかかれる機会を楽しみにしております。

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 ナノバイオ計測化学(馬場研)
馬場 嘉信、湯川 博、安井 隆雄、小野島 大介、有馬 彰秀、嶋田 泰佑

馬場研究室の近況報告

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。馬場研の近況をお知らせします。安井隆雄先生が東京工業大学生命理工学院 教授としてご栄転なされました、誠におめでとうございます。現在、D3が1名、D2が1名、D1が1名、M2が5名、M1が3名、B4が5名に、各スタッフを加えると合計28名になります。ようやくコロナ禍が明け、対面形式の学会参加に戻り、現地に赴いて研究に関する議論ができるようになりました。
 馬場先生が今年度退官されるため、馬場研究室は2023年度をもってクローズすることになります。研究室の片付けなども始まりつつあり、今年度いよいよクローズという実感が湧きつつあります。これまでに皆様の努力によって進めてきた、ナノバイオAIデバイスやナノ量子センサーなどを活用した最先端分析法の集大成に関して、2024年3月28日に馬場先生のご講演を予定しております。皆様にお会いできるのを楽しみにしておりますので、ご参加いただけますと幸いです。
 研究で得られた成果はホームページで報告しておりますので、QRコードからぜひご覧ください。名古屋にお越しの際は、お気軽に研究室に遊びに来てください。

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 生体分子応用化学(村上研)
村上 裕、林 剛介、藤野 公茂

京大斎藤研、名工大築地研と合同合宿を行いました

 これまでのコロナ禍で止めていた研究室行事もすべて復活し、新メンバーの歓迎会、院試の激励会など、研究室も通常運転に戻りました。また、4年ぶりに京大斎藤研、名工大築地研との合同合宿を行うことになり、今回は村上研主催で、琵琶湖KKRで学生の研究発表を行いました。皆さん、一緒に食事やお風呂を楽しみ、学生間の交流を深めていました。帰りも清水寺の舞台まで行って写真をとり、現地解散ということで、その後も京都観光を満喫したと思います。研究は、一分子ペプチドシークエンス法の開発、人工抗体の応用(NK細胞、微小炎症など)や、環状ペプチドの創製、タンパク質の化学合成に関する研究など順調に進んでいます。また、D1の梅本くんが赤崎学生奨励賞、M1の菅野くんがRSC Chemical Biology賞(バイオ関連シンポジウム・ポスター)を受賞するなど研究発表も順調です。ホームページにも情報を載せていますので、時間がある際に訪れていただければ幸いです(携帯電話にも対応しています)。

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 生命超分子化学(浅沼研)
浅沼 浩之、樫田 啓、村山 恵司

―DNAを超えた“超核酸”へ―

 2023年度の浅沼研究室は4名の新4年生を迎え、D3(2名)、D2(4名)、D1(2名)、M2(4名)、M1(5名)とスタッフ(5名)を含めた26名で研究・教育活動を行っております。前年の研究室だよりで紹介したように、神谷先生が4月1日に教授として神戸薬科大学にご栄転されましたが、以前浅沼研のポスドクとして在籍したことがある有吉純平博士が、神谷研究室の助手として着任しました。核酸医薬関係のプロジェクトが続いているので、まだ神谷先生との共同研究は続いています。企業や医学部との共同研究も去年より大きく進捗し、当研究室で開発した非環状型人工核酸の特長が明らかになり、何とか社会実装までつなげようと頑張っています。
 2022年度に学位を取った牧野航海博士は、学振特別研究員として、京都大学の齋藤博英先生の研究室で新たな研究に着手しました。樫田先生と村山先生も、JSTのさきがけや創発に採択され、またそれぞれ別の学術変革Aの分担者としても活躍しており、彼ら独自の研究も大きく発展しつつあります。浅沼研も今年を含めて残り4年となりましたが、私自身も心残りを残さないよう、これまで以上に研究に邁進しようと、気合を入れております。OB・OGでこの研究室だよりを読みましたら、どうぞアポなしで結構ですので、遠慮なく冷やかしに来てください。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 化学遺伝学(清中研)
清中 茂樹、堂浦 智裕

アフターコロナ1 年目の研究活動

 2023年度の清中研究室のメンバーは、清中、堂浦助教、草壁事務員、博士2年2名、博士1年1名、修士2年6名、修士1年6名、学部4年4名の計22名になります。清中研発足時より研究室を支えていただいた金岡助教は今年4月に愛知工業大学工学部応用化学科・バイオ環境化学専攻の准教授として栄転されました。研究室の情報はホームページ (http://www.chembio.nagoya-u.ac.jp/labhp/life1/index.html)に随時更新しておりますので、ご覧ください。
 今年度から大学の教育活動(講義、学生実験)は原則対面方式となり、アフターコロナ時代が始まっています。研究活動においても昨年度の中頃より対面方式の学会が増加し、学会出張が多くなってきました。できるだけ多くの学生に緊張感のある対面方式の学会発表を経験してもらいたいと思います。
 清中研究室では講座名のように受容体に対する化学遺伝学(ケモジェネティクス)研究とケミカルバイオロジー研究に取り組んでいます。ケモジェネティクスは化学と遺伝子工学が融合した学問分野です。遺伝子工学の発展は目覚ましく、数年前に開発されたばかりの新技術が既に病気の治療に向けた実応用段階に入っているスピード感には驚きを隠せません。これからも生命化学に資する新技術を生み出せるように日々研究活動に邁進します。ご興味があるOB・OGの方がいらっしゃいましたら気軽にご連絡及びご訪問ください。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 生物化学工学(本多研)
本多 裕之、清水 一憲、秋山 裕和

21世紀に生まれるということ

 9月も終わり、残暑から一転、急に涼しくなってきました。体調に気をつけましょう。
 今年の夏は、メインの学会の日本生物工学会が名古屋大学で開催になり、何かと忙しい日々でした。特に清水先生は庶務担当で大変そうでした。お疲れ様でした。また本学会ではすべて口頭発表で、初めて設立された学生優秀発表賞で、M2の片山君が学生最優秀発表賞を受賞したのは大変な栄誉でした。おめでとう。
 今年は5名の4年生が配属になりました。平成生まれどころか、2001年生まれであることに妙に驚き、彼らとの間の埋めようのないギャップを感じたりします。理解し合うことは大事だと思うけれど、そう言ってしまうこともなんだかちょっと上から目線で傲慢な気がして、結局はぶれない大木のような真理を、お互いに見ようとすることが大事なんだろうなと思い返しました。
 昨年同様7月7日に研究室のイベントとしてボウリング大会と金山のビヤガーデンでの飲み会を開催しています。いずれも楽しいひと時でした。生物工学会の日本酒はまだあるので、研究室での飲み会はまだ回数を重ねられそうです(笑)。
 研究は、細胞の分化制御な機能発現など、変わらず生命の神秘に触れる研究を心がけています。詳細はHPを参考にしてください。M1、M2が3名ずつで少人数ですが、精鋭ぞろいで、いつも元気をもらっています。お近くにお越しの節は是非お立ち寄りを。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 分子生命環境プロセス(堀研)
堀 克敏、鈴木 淳巨、中谷 肇、吉本 将悟

研究室の近況

 堀研も今年で13年目を迎え、4年生5名、修士学生10名、博士学生2名、教職員7名、研究サポート3名、秘書2名の計29名体制となりました。嬉しいことに、Chen助教が、台湾の国立中興大学の准教授に栄転されました。
 大きなニュースとしまして、堀教授が、化学工学会の研究賞である内藤雅喜記念賞と生物工学会の功績賞という大きな2つの賞を立て続けに受賞したことがあります。また、D3の高橋さんが、フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウムで若手奨励賞を受賞するなど、堀研の研究が一段と認められた嬉しい年となりました。
 さらに、今年は、堀教授を実行委員長として、第75回日本生物工学会大会が名大で開催されました。学会創立100周年を祝う記念大会で、実に4年ぶりに対面での開催となるなど準備は大変でしたが、堀教授の発案で、学生優秀発表賞や学生のための企業研究セミナーが新設され、参加者2000人を越える大盛況となりました。大会では、堀研主催で、国際共同研究先のオスロ大学のLinke先生の研究室と中国医学科学院北京協和医学院のFan先生をお招きして国際シンポジウムを開催しました。さらに大会後には、白川郷に場所を移してオスロ大学、北京協和医学院から来日された約20名のメンバーとポスター発表を含む国際交流を行いました。
 今後も先端研究に力を注いでいきます。皆様方のご支援・ご協力お願い致します。

基盤創薬学専攻 創薬有機化学講座 分子設計化学分野(山本研)
山本 芳彦、安井 猛

近況

 私どもの研究室では、有機合成化学を基盤として創薬につながる新規生理活性分子の設計、ならびにその合理的合成プロセスの創出を両輪とする創造的研究・教育を行っています。本年4月に澁谷正俊准教授が日本女子大学理学部化学生命科学科に転出し、研究室は安井猛助教と山本の二人体制となりました。工学部化学生命工学科からは2名の4年生が卒業研究配属されました。

基盤創薬学専攻 創薬生物科学講座 細胞分子情報学分野(加藤研)
加藤 竜司、田中 健二郎

生物情報解析の活路を目指して

 生命分子工学専攻の創薬科学研究科協力講座として末席に名を連ねさせていただき、ありがとうございます。2023度の研究室は、教員2名、専任スタッフ3名、大学院生19名、学部生3名の構成です。兼担として学部3年生の講義として担当させて頂いている「生物情報工学:データサイエンスへのイントロダクション」や「基礎セミナー」においては、学生様の顔をみながらの授業が戻り、改めて学生の皆様と接することの重要性と、その刺激を感じている日々です。
 近年、ライフサイエンスの分野では、WetだけでなくDryの技術や価値観を持った人間に対するニーズが少しずつながら増えてきているように感じます。しかし一方で、Dryの手法は発展著しいばかりではなく、技術の「市民化・大衆化」も加速しており、高校生でも一般的な解析スキルを自学自習できてしまう土壌がWeb上には存在するようになりました。即ち、大学の研究室で学ぶべき「解析能力」とは何か、が問われているような気がしております。我々としては、工学的かつ生物情報の活用という観点での情報解析では、たくさんの実データや実ニーズに触れながら、社会を変える応用先をいかに作り出せるかが重要ではないかと考え、日々解析者の満足に終わることのない社会実装の形を見出すべく、努力しております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。