研究室だより

過去の研究室だより(2021年度2020年度2019年度2018年度

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機構造化学(忍久保研)
忍久保 洋、三宅 由寛、福井 識人

研究室の近況

 今年度は学部4年生4名が新たに加わり、総勢23名となりました。今年度も新型コロナウィルスの影響で生活には制限があります。しかし、この状況も二年目ですので、工夫し日々の研究活動を行っています。また、福井先生が日本化学会東海支部奨励賞をご受賞されました。
 今年も引き続き共同研究も増え、異分野とのコラボレーションもますます進んでいます。また、今まで行ってきた研究が次々と形になり、論文として報告することができました。今年は学会がオンラインで開催されています。対面とは勝手が違うことも多いですが、参加者は皆、積極的に議論に参加しています。やはり、飲み会やイベントは行うことはできていませんが、研究室の雰囲気は変わらず、元気に過ごしています。卒業生の皆様も大変な時期をお過ごしかと思います。落ち着いた頃に名古屋にお越しの場合は、是非お気軽にお立ち寄りください。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機元素化学(山下研)
山下 誠、伊藤 淳一、中野 遼

次のステージへ向けて一段の飛躍を目指したい

 研究室が名古屋で本格始動して5年目となりました。現在の研究室構成員はスタッフ4名(教員3名・秘書1名)、博士研究員(中国人)1名、学生19名(博士4名・修士10名・学部4名)で、2022年1月に博士研究員(カナダ人)が1名着任、3月に訪問学生(ドイツ人)が来ることが予定されています。2021年4月から9月まではカナダLethbridge大学のPaul HAYES教授が客員教授として滞在し、国際交流も深めてきました。博士3年の車田が名古屋大学学術奨励賞を受賞し、修士2年の山梨が日本学術振興会特別研究員に採用内定されるなど、学生の研究活動が対外的にも広く認められるようになってきました。研究はこれまでのホウ素化学に加えて、新しく始まったメタンの官能基化や求核的アルミニウムアニオンの化学を大きく広げるためにみんなで頑張っています。
 換気やマスクなど可能な限りのコロナ対策をしながら、研究活動は可能な限り通常どおり進めており、セミナーは対面にて行っています。これまでと同様に面白い化学を進めて良い論文を出しつつも、在籍している学生が最大限に成長できる研究室を目指します。卒業生のみなさんも名古屋に寄ることがあれば是非研究室に顔を出して後輩にいろいろ教えてあげてください。今年はコロナ渦ではありますが、何名かの卒業生が来てくれて山下も在学生も楽しい時間を過ごしました。また、2021年3月は研究室設立10年の記念だったのですが、同窓会を行うことができなかったので、コロナの様子を見ながらそのうち開催できればと思っています。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 有機反応化学(大井研)
大井 貴史、大松 亨介、荒巻 吉孝、中島 翼

大井研メンバーは変わらず元気です

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。昨年度11月に浦口先生が北海道大学に栄転され、今年度4月に山野本先生が学習院大学に異動されました。また、中島先生が新たに助教として着任され、新メンバーとして博士研究員のGabrielさん、4年生の木倉くん、北島くん、林くん、宮川くん、G30 3学生のDucくんが加わりました。コロナ禍の影響で多くの制限がかかる状況が続いていますが、そんな中でも、新メンバーとともに笑いの絶えない雰囲気のなかで楽しく毎日を過ごしています。
 研究面では、森田くん、寺岡さんらのシアノアルキル化反応に関する論文がJ. Am. Chem. Soc.誌に掲載され、多くの注目を集めました。また、藤森さんらの論文が学会誌の表紙を飾りました。開発した反応に対する想いが込められた美しいイラストになっていますので、ぜひ一度ご覧いただければと思います。
 2020年2月以降、オンラインでしか飲み会を開催できていませんが、メンバーの親睦を深め、研究室を盛り上げるために、感染対策をした上でのスポーツ大会を催しています。掲載している写真は、大井先生も参加した春のソフトボールの様子です。今年は研究室15周年の節目で、卒業生の皆さんとも集まって語り合いたい想いを強く抱いていますが、その実現はもう少しお預けになりそうです。しかし、個別のご訪問はいつでも歓迎しています。日々アクティブに活躍するメンバー達の様子を見に、皆さんの最近の様子を語りに、ぜひ研究室に遊びに来てください。

有機・高分子化学専攻 有機化学講座 触媒有機合成学(石原研)
石原 一彰、ウヤヌク ムハメット、大村 修平

茶話会を始めました。

 昨年から続くコロナ禍において、ほとんどのセミナーや会議はオンラインとなりました。実は、そのおかげで、移動時間が省略でき、共有画面が見やすいなど、オンラインの方が便利であることに、誰もが気づいてしまいました。我々はコロナ終息後もこの形式を続けるつもりです。また、デスクワークや会議を土曜日に集中させることで、その日を完全にテレワーク化できたことも大きなメリットです。その一方で、ほとんどのイベントがキャンセルまたは延期となり、ひたすら研究する毎日となっており、外部とのインパーソンでの交流が不足気味です。特に懇親会などはオンラインよりも断然インパーソンの方がよく、コロナ禍においては叶いませんが、その重要性を再認識しました。私(石原)自身も学生とのコミュニケーションが不足していると感じるようになり、昨年3月より、時間が許す限り毎日、茶話会と称してコーヒーを2人分淹れて、研究室の学生を招き、茶菓子を摘みながら1:1で対話する機会を作りました。当初、30分程度を想定していましたが、いざ始めてみると1時間から1時間半くらい雑多な話をすることが多くなっています。そのおかげで、学生一人一人の個性や価値観をよく把握できるようになり、学生間の横のつながりも見えてきました。学生も私のことをよく知る機会になっていると思います。コロナ禍においても、立ち止まることなく、創意工夫することで前進していければと思っています。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 高分子物性学(高野G)
高野 敦志、野呂 篤史

研究室の近況

 皆様、お元気でお過ごしでしょうか。高分子物性学研究室の近況をお知らせします。2020年3月、これまで20年以上にわたり研究室を支えてこられました松下裕秀先生が定年退職されましたが、その後、高野と野呂講師のスタッフ二人体制で研究・教育活動を進めております。現在の配属学生は学部4年生2名、修士学生5名で、さらに研究員4名と秘書1名を加え、合計14名です。松下研究室の時代からの伝統で学生さんに対しては「よく遊び、よく学べ」をモットーとし、「卒業後、世の中の役に立つ人づくり」を信条として教育・研究に励んでいます。昨年からの新型コロナウイルスの影響で全体的に研究・教育活動は依然として遅れがありますが、ようやく回復してきており、構成員一同毎日元気に活動しております。研究面では、これまでの研究を継承して、高野は様々なモデル高分子の精密合成とその物性探索に、野呂講師は非共有結合性エラストマーの応用から新規プロトン伝導性高分子電解質膜の調製などに精力的に取り組んでいます。一昨年から研究室内の女性人口が男性を上回り、ずいぶん研究室の雰囲気も変化しました。ソフトボールなど多人数で行われるスポーツ大会は新型コロナウイルスの影響で自粛中ですが、いざ出陣となると苦戦を否めません。以前は体育会系の研究室でしたが、現在はずいぶんこじんまりとした体制に様変わりしました。名古屋へお越しの際は、是非研究室にお立ち寄り下さい。時折訪問して下さる方はもちろん、地下鉄や1号館を経験されたことがない方も、是非お気軽に立ち寄って研究室の元気な姿を直にお確かめ下さい。構成員一同、心よりお待ちしております。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 機能高分子化学(上垣外研)
上垣外 正己、内山 峰人、渡邉 大展、本間 千裕

新しく助教と特任助教の先生が加わりました

 卒業生の皆さん、コロナ禍の中ですが、お元気でお過ごしでしょうか?
 研究室には、この4月にメンバーに大きな変化がありました。大阪大学理学研究科で博士を修了された渡邉大展さんが助教として、京都大学理学研究科で博士を修了された本間千裕さんが特任助教として着任しました。それぞれ、高分子合成、有機合成の分野で博士を取得されており、研究室が益々パワーアップし新しい展開を期待しています。また、修士課程1年生の2名、4年生の4名が新たに加わり、これまでのメンバーと合わせて、合計18名のメンバーで研究室を運営しています。
 現在9月末、まだコロナ禍の中ではありますが、研究活動はマスクをしながら実験を行える状況にあります。また、雑誌会やリサーチセミナーは、大きな部屋で換気をしながら行っています。しかし、対面でのコンパはもう1年以上行えておらず、わいわい楽しみながら会話できるにはまだ時間がかかりそうです。高分子学会年会、高分子討論会、東海高分子、中化連などもすべてオンラインとなり、参加の楽しみが減ってしまいかわいそうですが、そんな中でも元気に研究発表をしています。
 集合写真は、7月に撮影することができ、この場で披露できる状況になりました。残念ながら突然のにわか雨で、1号館フロアでの撮影でした。
 また、オンラインなどでも、お会いできる機会があれば幸いです。
 大変な状況が続きますが、皆さんお元気でお過ごしください。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 高分子組織化学(関研)
関 隆広、竹岡 敬和、原 光生

節目の年

 卒業生の皆様いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウイルスの余波は思ったよりも長引いていますが、ワクチンも普及して、ようやく明るい兆しが見えてきましたね。コロナ禍で来日できていなかった留学生ともようやく合流でき、研究室は一段と活気に溢れています。2021年度は留学生5名を新たに迎えて、スタッフ4名、博士後期課程学生4名、博士前期課程学生11名、学部生5名、技術補佐員2名の総勢26名です。ワクチン接種したとはいえ対面での交流にはまだいろいろと配慮が必要ですが、元気に日々研究に邁進しています。どのテーマも予期せぬ面白い結果がたくさん出ていますので、ぜひ論文や学会発表をチェックしてみてください。
 さて、今年度は関先生ご退職の年ですので、関研としてはこれが最後の便りとなります。2022年3月には関先生の最終講義と懇親会を予定しています。最終講義はハイブリッド(対面+オンライン)形式で準備を進めていますので、遠方の方でも参加しやすくなっています。皆様ぜひご参加ください。その時の状況が許せば対面での懇親会も企画しようと思っています。皆様とお会いできるのを楽しみにしています。また、コロナ禍ですが、訪問は大歓迎です。先日も向井君と北村君が元気な姿を見せに来てくれました。出張の機会は少ないと思いますが、近くにお越しの際はぜひお気軽にお立ち寄りください。

有機・高分子化学専攻 高分子化学講座 超分子・高分子化学(八島研)
八島 栄次、井改 知幸、沖 光脩

八島研!近況報告!

 八島研も1998年4月の研究室発足から24年目を迎えました。最近の研究室の大きな変化として、2021年4月に助教の田浦大輔先生が准教授として名城大学に、特任助教の鈴木望先生が助教として四国学院大学に御栄転され、秘書の山本亜美さんがご退職なされました。これまで八島研を支えてくださった3名の方々の新天地での益々のご活躍を研究室一同祈念しております。もちろん、寂しいことばかりではなく、愛媛大学の宇野英満教授のもとで博士の学位を取得された沖光脩先生が特任助教として新たに八島研に加わり、ラセン研究を盛り上げています。さらに、かつて八島研で秘書をされていた近藤要子さんが秘書として復帰され、研究員の森井宏美さん、4年生4名が八島研に加わりました。
 嬉しいニュースとして、昨年度、井改知幸先生が第9回新化学技術研究奨励賞と第15回わかしゃち奨励賞を受賞されました。さらに、2021年5月には八島栄次先生が、恩師である岡本佳男先生(名大特別教授)と第74回中日文化賞を共同受賞されました。これもひとえに卒業生、研究員、スタッフの皆さんの並々ならぬ努力の賜物です。
 一方、研究室での講座旅行やソフトボール大会は今年も自粛しており、このままでは研究室の伝統行事を知る学生がいなくなるのではと危惧しています。来年こそはコロナが収束し、再び優勝を目指したソフトボール大会への挑戦や皆様との同窓会等での再開が叶いますことを楽しみにしています。

応用物質化学専攻 応用物理化学講座 触媒設計学(薩摩研)
薩摩 篤、沢邊 恭一、織田 晃

続コロナ禍での研究活動

 昨年の研究室だよりでは写真も無く(集合するチャンスがなく)失礼しました。本年度は制約付きながらも対面の講義や研究活動が出来ており嬉しい限りです。集合写真も撮影できました。昨年はD3の村田君が名古屋大学学術奨励賞を受賞し、さらに在学中に11報の論文を出版して堂々の学位取得をしました。ただ、飲酒を伴う懇親会が厳しく制限されているため、薩摩の触媒学会学会賞受賞も含めて、祝賀会は無期延期となりました。同窓会開催を模索していただいたOBの皆様には大変申し訳ございません。
 さて本年度の研究室は教員3名、事務員1名、院生8名、学部生5名の構成です。これまで自動車触媒を中心に進めてきた研究テーマも、近年の脱炭素の波を受けて、メタンの部分酸化、水素キャリア、二酸化炭素転化反応などへシフトしております。ただAICE関連の研究に携わっていたOBが、就職後に「続きをやってる」とのお話も聞きますので軸足の移行は緩慢です。いつも研究室の「元気の素」となっているコンパはずっと封印されていますが、大学でのワクチン接種も7月から実施とアナウンスされています。OB, OGの皆様、解禁になったら是非遊びに来てください。

応用物質化学専攻 応用物理化学講座 材料設計化学(鳥本研)
鳥本 司、亀山 達矢、秋吉 一孝

新体制でスタートしました

 卒業生のみなさんお久しぶりです。お元気でしょうか?同じく卒業生で現役研究室スタッフの亀山から、近況をご報告します。昨年度末に鈴木准教授がご栄転され、鳥本研究室は本年度より新たな体制でスタートを切りました。現在の研究室の構成は、教員3名(教授:鳥本司、准教授:亀山達矢、特任助教:秋吉一孝)、技術補佐員4名、学生18名です。総勢25名と研究室発足以来最多で、そのうち留学生が4名と、国際色も豊かになってきました(これも過去最多)。ドクターコースに進学する学生も増えて、研究室立ち上げから17年目(なんと早い!)にしてますます盛り上がってきたのを肌で感じています。
 研究活動は、コロナ禍にあってもICTの活用などでほぼ以前のペースを取り戻し、オンラインでの研究発表(学会参加)などにも慣れてきました。研究室発足以来のテーマである(1)新規多元系半導体ナノ粒子の創製と光エネルギー変換への応用、(2)イオン液体/金属スパッタリングによる複合金属ナノ粒子の作製と機能材料開発の2つを軸に研究を行っています。皆さんの在席していたあの頃と、何が変わったのか気になりますよね?私から丁寧にご説明させて頂きますので、名古屋にお越しの際はお気軽に是非お立ち寄りください。

応用物質化学専攻 固体化学講座 構造機能化学 (松田研)
松田 亮太郎、日下 心平

Sen先生が研究室に着任しました

 卒業生の皆さん、お元気ですか?現在教員(3名)、D3(2名)、D2(2名)、D1(1名)、M2(7名)、M1(6名)、B4(5名)の24名が所属しておりとても賑やかです。昨年11月にSusan Sen特任准教授が新たに着任され、日々学生の皆さんと英語で研究ディスカッションを交わしております。
 松田研究室では、新しい多孔性材料であるナノポーラス錯体の研究を引き続き行っています。昨年度から今年度にかけては、特に光を利用した構造変換・分子捕捉や、ガス吸着分離に関して興味深い研究結果が出ており、現役・卒業生の研究結果も論文報告も軌道に乗ってきました。また、森田将司さんが、研究室発足して以降初めての博士の学位を取得し、東京農工大前田研究室の助教として採用され、活躍中です。科研費、JST、民間助成および共同研究と多くのプロジェクトで研究を進めることができました。前年度より引き続き、松田研は先端国際研究ユニット反応インフォグラフィー(R-ing)に参画し、学内共同研究(ミックスラボ)での活動も進めています。
 昨年度より始まったコロナ禍は収まる様子を見せず、ストレスフルな状況が続いておりますが、皆忍耐強く研究活動を継続しております。恒例の研究室旅行は中々実施が難しい状況にありますが、開催の暁にはリモートでも構いませんので、卒業生の皆さんもぜひ遊びに来てください。

応用物質化学専攻 固体化学講座 機能材料化学(大槻研)
大槻 主税、中村 仁、藤本 和士

COVID禍でのハイブリッド形式に対応した研究活動

 2021年度は、昨年に引き続きCOVID禍での研究室活動スタートになりました。4月~5月にかけての第4波が押し寄せる中、研究室内での活動と、Webでのセミナー開催を駆使したハイブリッド形式での研究室運営となりました。学生諸氏はCOVIDの影響で活動時間を最大限有効に活用すべく、より効率的に勉学に取り組んでいるようです。
2021年度10月より藤本和士先生が新しく研究室スタッフとして参加しました。藤本先生は計算化学的手法(分子動力学計算)を用いて物性研究を行ってきています。大槻研究室で取り組んできた機能性材料と、計算科学的手法による機能発現の原理解明を組み合わせ、新たな材料技術の創出を目指して、教育研究を進めております。研究室内では、無機層状化合物と有機分子を組み合わせた複合材料の合成とその医用材料応用に関する研究を進めるための合成装置と分析装置が配置されています。有機分子で修飾したセラミックスの微粒子の合成や、セラミックスの表面改質のための多様なセラミックスプロセッシング装置を駆使して、日々の研究に取り組んでいます。さらに、哺乳類細胞培養スペース、抗菌試験のためのP1実験スペースを利用して、原子レベルから材料開発を考えられる体制です。学生はそれぞれ独自のテーマに取り組みながらも、セラミックスから生体分子まで、幅広い素材に関する知識と経験を身につけていきます。
 2021年4月で研究室設立から15年目を迎えました。先輩の面倒見がよく、卒業生同士や、卒業生と現役生の交流が長く続いているのは、大槻研究室の伝統となってきています。お近くにお越しの際には、ぜひ大槻研究室にお立ち寄りください。

応用物質化学専攻 固体化学講座 多孔材料化学(中西研)
中西 和樹、長谷川 丈二

“創発的研究”開始!

 早いもので中西研も3年目に突入し、2021年3月には、初めて修士卒の学生2名を社会に送り出すことができました。研究室発足一期生で、最初は実験環境が整っておらず、環境が整ってきた途端に新型コロナ発生と、苦難の学年で、教員としても申し訳ない気持ちでいっぱいです。若い時の苦労はその後の人生で必ず報われる、など無責任なことは言えませんが、そうなることを祈るばかりです。2021年度の所属学生は、M2:3名、M1:3名、B4:2名の8名です。なかなか研究室のイベントを行えない状況ですが、元気に仲良く活動しています。
 研究活動に関しては、装置の移管が終了するとともに、譲っていただいた装置類の整備・設置が済み、学生たちの多大な協力もあって実験室が(ほぼ)完成しました。また、長谷川特任准教授が発足初年度のJST「創発的研究支援事業」に採択され、2021年4月から「固くて柔軟な多孔質樹脂」に関する研究プロジェクトが始まりました。無機系と有機系の研究テーマが混在する状況となりますが、垣根なく幅広い知識と経験を習得できる研究室を目指しています。
 少しずつではありますが、研究室の発展に向けて頑張っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

応用物質化学専攻 固体化学講座 機能物質工学(長田研)
長田 実、小林 亮、山本 瑛祐

Withコロナ@長田研

 2018年1月に長田研がキックオフしてから、早くも3年半が経ちました。私たちの研究室では、原子数個分の厚みを有する無機二次元物質「無機ナノシート」に着目し、新規ナノシートの精密合成、ナノ構造体の構築、電子材料・エネルギー材料への応用を進めています。キックオフ当初は少人数のグループでしたが、構成員も倍増し、教員3名、研究員・補佐員3名、博士4名、修士2年5名、修士1年7名、学部4年4名の総勢26名の大所帯となっています。この1年はコロナ禍もあり、思うように活動ができないところも多くありますが、しっかりと感染対策を行いつつ、楽しい研究生活を過ごしています。未来研所属ということで運動場に近く、以前はBBQ、スポーツ大会など盛り上がる機会も多かったのですが、今年は研究一筋の1年となりました。こうした学生の皆さんの頑張りもあり、化学会、セラミックス協などで多くの賞(13件!)を頂いております。また、いくつかの大型プロジェクトが始まり、新しい装置が導入されるなど、新しい研究展開もみられています。最新情報はホームページに掲載しておりますので、是非見守って頂ければと思います。

応用物質化学専攻攻 固体化学講座 ラジカル化学(熊谷G)
熊谷 純

10月末に4年生の歓迎会を開きました.

 3月に堀之内克好君が博士前期課程を無事修了し,多治見の(株)TYKに就職しました.新型コロナによる緊急事態宣言等が続く中,修士修了並びに新4年生配属のお祝いを行えずにおりましたが,10/29(金)にようやく4年生の歓迎会を開催することができました.今年度は柴山奈子さんが熊谷研に配属となり,昨年度配属になった細見奎輔君も併せての歓迎会となりました.柴山さんは2020年春に修了した福島君の研究テーマの再現性に取り組んでおります.中々思うように進みませんが,頑張っているところです.細見君は,低レベル放射性物質のセメント固化処分を見据えて,セメント構成結晶の放射線による水素発生の照射温度依存性の研究に取り組んでおります.
 新型コロナの影響は下火になってきたとはいえ,対面での研究室同窓会開催はまだ難しい状況です.一方,4年生2名は来年春に就職予定ですので,このままですと研究室OB・OGと一度も顔を合わせることなく卒業になります.何処かの時点でオンラインの研究室同窓会を開催できればと思っております.案が固まり次第,同窓生の皆様に案内をお送りいたします.2015年に逝去された宮﨑哲朗先生の遺稿集が奥様のご尽力でまもなく発刊になりますので,そちらのお披露目もできれば幸いです.

追伸:今井さんはこの春に50代に突入し,女子大生の父とりました.

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 ナノバイオ計測化学(馬場研)
馬場 嘉信、湯川 博、安井 隆雄、小野島 大介、有馬 彰秀、嶋田 泰佑

馬場研究室の近況報告

 卒業生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。馬場研の近況をお知らせします。現在、D3が2名、D2が2名、D1が1名、M2が4名、M1が7名、B4が5名に、各スタッフを加えると合計36名の大所帯になります。昨年度から続くコロナウイルス感染症のため、居室人数の制限や研究室行事の延期などの感染対策を引き続き講じています。研究では、オンライン形式での雑誌会や中間報告会などが定着し、これまで通りの対面形式と同様の議論ができるようになりました。学会などもオンライン形式での発表が多く、今年度も日本からMicroTASに参加予定です。このような状況下ではありますが、脈々と受けつがれるメンバーの頑張りで、ナノバイオデバイス・量子センサ・AI技術を活用した新規分析法を精力的に開発しております。研究で得られた成果はホームページで報告しておりますので、QRコートからぜひご覧ください。
 研究室メンバー・研究内容の変遷に伴い、皆さんが卒業されてから研究室の様子も年々変化しております。種々の制限が続く状況ではありますが、ご訪名の際はお気軽に研究室に遊びに来てください。

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 生体分子応用化学(村上研)
村上 裕、林 剛介、藤野 公茂

研究室メンバー、コロナに負けずがんばっています。

 例年は、研究室旅行の様子などを報告していましたが、新型コロナウイルスによる感染症抑制のため研究室行事を(月一の誕生会を除き)すべて取りやめています。早く、新型コロナウイルスの問題がなくなり、コロナ前のように皆で楽しく旅行に行けるようになればと願っています。研究は順調で、抗新型コロナウイルス人工抗体の機能強化や応用をはじめ、人工抗体を応用した様々な共同研究を進めています。また、リボソーム改変、環状ペプチドの創製、タンパク質の化学合成に関する研究も着実に進んでいます。学会もオンラインで行われ学生さんも参加しました(日本化学会 第101春季年会、2名;第15回バイオ関連化学シンポジウム、6名)。2021年3月には名古屋大学村上研究室初の博士として近藤博士が誕生し、藤野助教も出身学科の東京大学大学院総合文化研究科で博士号を取得し、研究指導委託で東京大学から来ていた加茂くんも東京大学大学院工学系研究科で博士号を取得しました。ホームページにも情報を載せていますので、時間がある際に訪れていただければ幸いです(携帯電話にも対応しています)。

http://www.chembio.nagoya-u.ac.jp/labhp/bioanal2/

生命分子工学専攻 分子生命化学講座 生命超分子化学(浅沼研)
浅沼 浩之、樫田 啓、神谷 由紀子、村山 恵司

―DNAを超えた“超核酸”へ―

 2021年度の浅沼研究室は4名の新4年生と技術補佐員1名を迎え、D3(1名)、D2(2名)、D1(2名)、M2(7名)、M1(4名)とスタッフ(5名)を含めた26名で研究・教育活動を行っております。企業との共同研究も進み、当研究室で開発した光応答性DNAおよび人工核酸SNA,L-aTNAが市販されるようになりました。医学部との共同研究も進んでおり、SNAおよびL-aTNAを使用した核酸医薬の実用化を目指した研究も進捗しています。動物実験も(実際に行うのは鶴舞ですが)行うようになり、名大着任当初は合成主体だった当研究室の研究内容も大分様変わりしてきました。
 最近では、RNAより前に構造が単純な原始核酸(≒人工核酸)のPre-RNAが存在し、その後に遺伝物質としての役割がRNAに委譲されたというPre-RNA ワールド仮説に、当研究室の開発したL-aTNAが合致しそうなことも明らかになり、生命の起源に強い興味を抱くようになってきました。その意味で「はやぶさ2」の持ち帰ったリュウグウの石の分析結果の発表を大変楽しみにしています。
 OB・OGでこの研究室だよりを読みましたら、どうぞアポなしで結構ですので、遠慮なく冷やかしに来てください。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 化学遺伝学(清中研)
清中 茂樹、金岡 英徳、堂浦 智裕

コロナ禍での研究室の近況です

 2021年度の清中研究室のメンバーは、清中、金岡 助教、堂浦 助教、草壁 事務員、妹尾 博士研究員、博士学生1名(研究指導委託)、修士2年4名、修士1年5名、学部4年4名の計19名となっております。研究室の情報に関しましては、ホームページ(http://www.chembio.nagoya-u.ac.jp/labhp/life1/index.html)を随時更新しておりますので、ご覧ください。
 コロナ禍での教育・研究活動も2年目となりました。会議や主張の多くはオンライン化され、むしろ効率的であることを実感しました。ただ、当初はそこそこ満足していたオンライン学会や授業は、やはり対面に勝るものはありません。授業は参加人数を講義室の許容人数の半分に制限する形で行えるようになってきましたが、学会を対面で行える日が待ち遠しいです。
 講座名にありますとおり、清中研究室では、遺伝子工学と化学を組み合わせた生命の制御技術の開拓に励んでいます。先日、大学で集団接種したモデルナ製ワクチンの組成をみると、実験室で培養細胞に遺伝子導入するものと類似しており、未曾有の事態とは言え、全世界の人にこのような技術が使われる時代が来たんだと痛感しました。生命化学に関する新たな新技術を生み出せるように、これからも日々研究活動に邁進します。卒業生の皆様も温かく見守っていただければ幸いです。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 生物化学工学(本多研)
本多 裕之、清水 一憲、秋山 裕和

勝つとか負けるとかAIとか

 将棋は勝ち負けであるという時代は終わったのではないか。藤井聡太竜王・王位・棋聖・叡王はデビュー6年目で4冠を保持することになり、勝率は依然として8割越え。その棋譜は一編の良質な小説でありドラマチックで、多くの将棋ファンを虜にし、AI超えの手が話題になります。なぜここまで勝ち続けるのか。プロ棋士や将棋ライターが語っています。読みの速さは将棋界トップで、詰め将棋解答速度も比類なし。でも、その局面で最善手を見つけたいという探究心こそ重要な要素のようです。将棋という81マス、40枚の駒の世界を極めたいという求道心が、たとえタイトルのかかる重要な対局でも平常心を失わず、存分に力が発揮でき、高い勝率を維持する理由になっているようです。その先に戴冠がある。その世界観は、ぜひ見習いたいものです。
 勝つとか負けるとかを嫌う時代ですが、でも実は勝ち負けに敏感な時代でもあります。その結果、自分を少しでも良く見せたいと背伸びする。それでいいのでしょうか。自分は何と戦うのかをよくよく考えたら、なすべきは、自分を飾るのではなく、自分の能力を高めることでしょう。結果を熟考する能力、問題を解決する能力、これを極めてほしいものです。その先に成果がある。
 5月から秋山先生が助教として着任されました。九州大学で学位取得後、企業で約10年近く研究畑におられました。再生医療に情熱を注いでおられます。
お近くにお越しの節は是非お立ち寄りを。

生命分子工学専攻 生命システム工学講座 分子生命環境プロセス(堀研)
堀 克敏、鈴木 淳巨、中谷 肇、石川 聖人、Chen Yan-Yu、吉本 将悟

「研究室の近況」

 研究室も今年で11年目を迎え、新たに4年生4名を迎え、修士学生8名、博士学生3名、教職員8名、研究サポート4名、秘書2名の計29名体制となりました。嬉しいニュースとして、吉本将悟君が、特任助教に着任したことをお知らせ致します。
 今年度も、コロナ禍により、学会は全てオンライン、研究室内のゼミも緊急事態宣言が発動される度にオンラインになるなど研究教育活動に大きな影響が出ています。そうした中でも、D2の高橋さんが日本生物工学会中部支部例会で中部支部長賞を受賞するなど、嬉しいニュースもありました。とはいえ対面で議論するに越したことはありませんので、予防接種の実施状況をにらみつつ、科学的知見に基づいた感染対策を行い、研究教育活動の早期正常化を目指しています。
 今年度も新たに大型の研究プログラムに採択されました。科研費学術変革A「生物を凌駕する無細胞分子システムのボトムアップ構築」では、計画班代表として領域研究をけん引していきます。コロナウイルス対策関連では、昨年度開発した3次元マスク『θ』に続き、インナー着用タイプの『タートル』を新たに開発し、大学発ベンチャーより上市しました。学会誌の解説にも、開発秘話を寄稿しています。今後も、基礎と応用の両面で活発な研究教育活動を展開していきますので、皆様のご支援ご協力をお願い致します。

基盤創薬学専攻 創薬有機化学講座 分子設計化学分野(山本研)
山本 芳彦、澁谷 正俊、安井 猛

創薬科学研究科分子設計化学分野近況

 私どもの研究室では、有機合成化学を基盤として創薬につながる新規生理活性分子の設計、ならびにその合理的合成プロセスの創出を両輪とする創造的研究
・教育を行っています。工学部化学生命工学科4年生の卒業研究配属も担当しており、毎年3名の卒研生を受け入れています。2012年の研究科設立から10年目を向かえ、今年7月には澁谷元講師が准教授に昇進しました。オンラインでの学会にも慣れ始めたところですが、7月に開催された第67回日本薬学会東海支部大会(オンライン)において、博士後期課程2年 菊池友宏君が学生優秀発表賞を受賞しました(写真)。菊池君の受賞は、博士前期課程2年時に続き2度目です。

基盤創薬学専攻 創薬生物科学講座 細胞分子情報学分野(加藤研)
加藤 竜司、蟹江 慧

ライフサイエンスのDXに向けて

 2021年度は新生活様式の中で始まった、ある意味新しい研究室スタイルの1年となりました。兼担として学部3年生の講義として担当させて頂いている「生物情報工学:データサイエンスへのイントロダクション」や「基礎セミナー」においても、オンラインに慣れてきた学生さんが意欲的に参加してくれるようになってきたことを感じました。近年、ライフサイエンスの分野ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が強く叫ばれつつあります。言い換えれば、ライフサイエンス研究にも情報解析・データサイエンスのセンスと素養が一層必要になってきた時代が到来しつつあるのだと肌身で感じるようになりました。事実、就職戦線においても、学生さんがデータサイエンスというスキルと生物的知識を融合した工学的な人材であることが評価されるようになってきたようにも感じております。研究室としては、データ解析を通じた実データの解析に燃える学部生がJoinしてくれ、創薬分野でのものづくりのパワーと社会実装の重要性を発信できるようにがんばって参りたいと思っております。